普段の食事に、たんぱく質やプロバイオティクスを豊富に含む食品を加えると、血糖コントロールが改善する可能性があることが、11月12~16日に米ニューオーリンズで開かれた米国心臓協会(AHA)の年次集会で報告された2つの研究で示唆された。.たんぱく質とプロバイオティクスはともに炭水化物の消化・吸収を遅らせて、血糖値をゆっくりと上昇させることで2型糖尿病の発症につながる血糖値の急激な上昇を避けられることがわかった。.最初の研究を主導した米タフツ大学ヒト栄養研究センター(ボストン)のHuicui Meng氏らは、慢性疾患の既往がない50~80歳の男女を、精白パンに1)ライスシリアル(炭水化物)、2)マグロ(たんぱく質)、3)無塩バター(脂肪)、4)オート麦シリアル(食物繊維)のいずれかを加える4群(各群が約20人、半数が女性)に割り付けて、炭水化物の消化に他の食品がおよぼす影響について検討した。.その結果、マグロの摂取は糖分の血液中への放出を遅らせたが、バターやオート麦にはこうした効果はみられないことがわかった。「たんぱく質は、胃内容物の排出速度を遅くする消化管ホルモンの分泌を促進する可能性がある」と、同氏は述べている。.もう一方の研究は、ウォータールー・カレジェイト・インスティテュート(カナダ、オンタリオ州の高等学校)のArjun Pandey氏らによるもので、米ジョンズ・ホプキンス大学(ボルティモア)およびケンブリッジ心臓ケアセンター(カナダ、オンタリオ州)の研究者の監督下で行われた。.同氏らは、DASH(Dietary Approaches to Stop Hypertension)食を行っている高血圧患者80人の半数に、食品の一部をプロバイオティクスに替えるよう指示した。たとえば、低脂肪の乳製品をプロバイオティクスが豊富なヨーグルトやグラノーラ(穀物、ナッツ、ドライフルーツなどを混ぜたシリアル)、プロバイオティック飲料に替えてもらった。DASH食とは、カリウムやカルシウム、マグネシウム、食物繊維、良質のたんぱく質を多く含有し、脂肪やコレステロール、飽和脂肪酸を減らした複合的な食事プランを指す。.その結果、プロバイオティクスを摂取した群と摂取しなかった群を比べると、血圧値には両群間で差はみられなかったが、摂取群では空腹時血糖値とHbA1c値が改善していた。.「プロバイオティクスの細菌は、血糖をエネルギーに変換するインスリンの分泌を促すホルモンの分泌を促進している可能性が考えられる」と、同氏は述べている。.米カリフォルニア大学サンフランシスコ校(UCSF)教授でAHA糖尿病委員会の副会長を務めるPrakash Deedwania氏は、いずれの研究も規模は小さいものだが、「たんぱく質やプロバイオティクスの摂取は日常生活でも簡単に取り入れることができるため、メタボリックシンドロームや糖尿病前症の人にとって重要な選択肢となるだろう」と述べている。.同氏は、より大規模な追跡研究が行われることを期待しつつ、今回の知見にしたがってたんぱく質を食生活に取り入れても害にはならないと述べている。一方で、プロバイオティクスの研究に関しては、参加者はすでにDASH食を実践していたことから、不健康な食生活にプロバイオティクスの食品を加えても意味はないと付け加えている。.なお、学会発表された知見は、査読を受けて専門誌に掲載されるまでは予備的なものとみなされる。(HealthDay News 2016年11月17日).https://consumer.healthday.com/vitamins-and-nutrition-information-27/food-and-nutrition-news-316/could-protein-probiotics-help-with-blood-sugar-control-716895.html.Copyright (c) 2016 HealthDay. All rights reserved.
普段の食事に、たんぱく質やプロバイオティクスを豊富に含む食品を加えると、血糖コントロールが改善する可能性があることが、11月12~16日に米ニューオーリンズで開かれた米国心臓協会(AHA)の年次集会で報告された2つの研究で示唆された。.たんぱく質とプロバイオティクスはともに炭水化物の消化・吸収を遅らせて、血糖値をゆっくりと上昇させることで2型糖尿病の発症につながる血糖値の急激な上昇を避けられることがわかった。.最初の研究を主導した米タフツ大学ヒト栄養研究センター(ボストン)のHuicui Meng氏らは、慢性疾患の既往がない50~80歳の男女を、精白パンに1)ライスシリアル(炭水化物)、2)マグロ(たんぱく質)、3)無塩バター(脂肪)、4)オート麦シリアル(食物繊維)のいずれかを加える4群(各群が約20人、半数が女性)に割り付けて、炭水化物の消化に他の食品がおよぼす影響について検討した。.その結果、マグロの摂取は糖分の血液中への放出を遅らせたが、バターやオート麦にはこうした効果はみられないことがわかった。「たんぱく質は、胃内容物の排出速度を遅くする消化管ホルモンの分泌を促進する可能性がある」と、同氏は述べている。.もう一方の研究は、ウォータールー・カレジェイト・インスティテュート(カナダ、オンタリオ州の高等学校)のArjun Pandey氏らによるもので、米ジョンズ・ホプキンス大学(ボルティモア)およびケンブリッジ心臓ケアセンター(カナダ、オンタリオ州)の研究者の監督下で行われた。.同氏らは、DASH(Dietary Approaches to Stop Hypertension)食を行っている高血圧患者80人の半数に、食品の一部をプロバイオティクスに替えるよう指示した。たとえば、低脂肪の乳製品をプロバイオティクスが豊富なヨーグルトやグラノーラ(穀物、ナッツ、ドライフルーツなどを混ぜたシリアル)、プロバイオティック飲料に替えてもらった。DASH食とは、カリウムやカルシウム、マグネシウム、食物繊維、良質のたんぱく質を多く含有し、脂肪やコレステロール、飽和脂肪酸を減らした複合的な食事プランを指す。.その結果、プロバイオティクスを摂取した群と摂取しなかった群を比べると、血圧値には両群間で差はみられなかったが、摂取群では空腹時血糖値とHbA1c値が改善していた。.「プロバイオティクスの細菌は、血糖をエネルギーに変換するインスリンの分泌を促すホルモンの分泌を促進している可能性が考えられる」と、同氏は述べている。.米カリフォルニア大学サンフランシスコ校(UCSF)教授でAHA糖尿病委員会の副会長を務めるPrakash Deedwania氏は、いずれの研究も規模は小さいものだが、「たんぱく質やプロバイオティクスの摂取は日常生活でも簡単に取り入れることができるため、メタボリックシンドロームや糖尿病前症の人にとって重要な選択肢となるだろう」と述べている。.同氏は、より大規模な追跡研究が行われることを期待しつつ、今回の知見にしたがってたんぱく質を食生活に取り入れても害にはならないと述べている。一方で、プロバイオティクスの研究に関しては、参加者はすでにDASH食を実践していたことから、不健康な食生活にプロバイオティクスの食品を加えても意味はないと付け加えている。.なお、学会発表された知見は、査読を受けて専門誌に掲載されるまでは予備的なものとみなされる。(HealthDay News 2016年11月17日).https://consumer.healthday.com/vitamins-and-nutrition-information-27/food-and-nutrition-news-316/could-protein-probiotics-help-with-blood-sugar-control-716895.html.Copyright (c) 2016 HealthDay. All rights reserved.