Model human kidney cross section inside
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腎機能低下で体内に蓄積する尿毒素が筋萎縮の引き金に ――東北大の研究グループ(2016.11.28配信)

慢性腎臓病(CKD)患者では、腎機能の低下によって体内に溜まった尿毒素が骨格筋の代謝変化を引き起こし、筋肉の萎縮につながっていることを、東北大学大学院薬学研究科の佐藤恵美子氏と同大学院医学系研究科の森建文氏らの研究グループが突き止めた。尿毒素の体内への蓄積は、心疾患だけでなく筋萎縮にもつながることがわかった。腎臓病患者の骨折や寝たきりリスクを高める筋萎縮の発症機序が解明されたことで、新しい治療法や進展抑制策の開発につながると期待される。詳細は「Scientific Reports」オンライン版に11月10日掲載された。

CKDでは、腎機能のはたらきが徐々に低下することで老廃物が体外に排泄されず、体内に「尿毒素」と呼ばれる毒性物質が蓄積する。CKD患者では筋量や筋肉が低下する筋萎縮を合併する頻度が高く、尿毒素との関連が指摘されているが、その機序は明らかにされていなかった。今回、研究グループは、この尿毒素のうち、もっとも毒性の強いインドキシル硫酸に着目し、筋萎縮との関連を検証するため、マウス、筋細胞、ヒトを対象とした研究を行った。

研究グループは、まず、CKDモデルマウスでは筋萎縮が起こり、イメージング質量分析法により、筋肉細胞にインドキシル硫酸が蓄積することを確認した。また、筋肉細胞では通常、糖が細胞内に取り込まれると解糖系-TCA回路を介してエネルギー源となるATPを産生し、筋肉の維持にはたらくのに対し、細胞内にインドキシル硫酸などの尿毒素が蓄積すると、糖が細胞内に取り込まれても代謝に異常が生じ、ATPの産生量が低下することで筋肉を維持できず、筋萎縮に至る機序を見いだした。さらに、CKD患者では、体内に尿毒素が蓄積する人ほど2年後の骨格筋量が減少し、筋萎縮が進行することもわかった。(HealthDay News 2016年11月28日)

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