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2型糖尿病患者のアスピリン一次予防に「効果なし」 ――日本人患者を10年間追跡したJPAD2研究(2016.11.28配信)

米国において、心血管疾患リスクが高い2型糖尿病患者では、脳卒中や心筋梗塞といった心血管イベントの一次予防を目的として低用量アスピリン療法が推奨されているが、日本人の同患者では、同薬の一次予防効果は認められないばかりか、消化管出血リスクを上昇させることが、奈良県立医科大学第1内科の斎藤能彦氏らによるJPAD研究グループ(主任研究者=国立循環器病研究センターの小川久雄氏、生物統計=兵庫医科大学の森本剛氏)の検討でわかった。糖尿病患者の心血管疾患一次予防を目的としたアスピリン療法の推奨に疑問を投げかけるエビデンスが新たに加わった。この結果は、米ニューオーリンズで開かれた米国心臓協会(AHA)の年次集会で11月15日に発表され、論文が「Circulation」オンライン版に同日掲載された。

研究グループは、日本人2型糖尿病患者2,539人を対象に、低用量アスピリン(81mgまたは100mg/日)の動脈硬化性疾患一次予防効果を検証したランダム化比較試験であるJPAD研究から、4.4年の観察期間でアスピリンの一次予防効果は認められなかったことをすでに報告している(JAMA 2008; 300: 2134-2141)。今回、研究グループは、JPAD研究の登録患者をさらに2015年まで追跡する観察研究(JPAD2研究)を行った。

研究グループは、中央値10.3年の観察期間中に低用量アスピリン療法の割り付けから逸脱した患者を除外したアスピリン投与群992人(270人がアスピリンを中断)と非投与群1,168人(109人がアスピリン療法を開始)を対象としてper-protocol解析を行った。その結果、低用量アスピリン療法による心血管イベントの抑制効果は認められず(ハザード比1.14、95%信頼区間0.91~1.42)、年齢や性、血糖コントロール状況、腎機能、喫煙習慣などを調整した多変量解析でも同様の結果が得られた(同1.04、0.83~1.30)。

また、最初に割り付けられたアスピリン投与群1,262人と非投与群1,277人を対象に、安全性(出血イベント)についてintention-to-treat解析を行った結果、出血イベントの発生率はアスピリン群で6%(80件)、非投与群では5%(67件)と両群間で差はみられなかったが、消化管出血の頻度はそれぞれ2%(25件)、0.9%(12件)とアスピリン群で有意に高いことが判明した(P=0.03)。なお、出血性脳卒中の発症率には両群間で差は認められなかった。(HealthDay News 2016年11月28日)

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