Woman taking blood sample for measuring sugar level
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糖尿病診断から早期の受診中断で細小血管合併症リスクが増加 ――九州大の研究グループ(2016.12.12配信)

糖尿病と診断され、治療を開始してから1年以内に医療機関への受診を中断した患者では、受診を継続した患者に比べて糖尿病網膜症や腎症といった細小血管合併症リスクが高まり、医療費も高くなることが、九州大学大学院医学研究院医療経営・管理学講座の福田治久氏らの検討でわかった。糖尿病と診断されたら、たとえ早期の段階であっても受診を継続することが重要であることが、改めて示された。「Diabetes Research and Clinical Practice」オンライン版に11月18日掲載の論文。

同氏らは、52の健康保険組合から得たレセプトデータのデータベースを用いて、2005~2013年に2型糖尿病と新たに診断され、治療開始から1年間以上追跡し得た2型糖尿病患者1万1,331人を対象に、後ろ向きに解析した。

医療機関への受診を6カ月以上行わなくなった状態を「受診中断」と定義し、糖尿病と初めて診断された月から1年以内に受診を中断した患者群(1,784人)と、定期的な受診を継続した患者群(9,547人)で、糖尿病合併症(網膜症、腎症、虚血性心疾患、脳血管疾患、血管閉塞症)の発症率と、治療開始後2~8年間の累積治療費を比較検討した。

その結果、受診を中断した患者群では、継続受診している患者に比べて、糖尿病網膜症、糖尿病腎症、糖尿病性神経障害といった細小血管合併症を発症する確率が1.8~2倍に増加していた(それぞれのハザード比は2.04、1.91、1.83。P値はそれぞれ<0.001、<0.001、0.041)。一方で、大血管合併症の発症率には両群間で有意な差はみられなかった。さらに、受診脱落群では、継続受診群に比べて、治療開始から5年目以降の累積医療費が高くなることも判明した。

同氏らは「糖尿病と診断され、医療機関への受診を始めた患者の通院をいかに継続させるかが重要な課題だ。医療従事者はこの点を認識すべきだ」と話している。(HealthDay News 2016年12月12日)

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