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妊娠中の喫煙で児の腎機能低下リスクが増加する ――大阪大の研究グループ(2017.1.10配信)

妊娠中に喫煙していた母親から生まれた児は、喫煙していない母親から生まれた児と比べて、3歳になった時点で蛋白尿をきたすリスクが高いことが、京都大学大学院薬剤疫学分野の新沢真紀氏と川上浩司氏らの検討でわかった。出産後に家庭内で喫煙を続けた場合にも、児の腎機能低下リスクは高まる傾向がみられたという。詳細は「Clinical Journal of the American Society of Nephrology」オンライン版に2016年12月22日掲載された。

喫煙は、成人の腎機能低下と関連することが報告されているが、小児を対象とした臨床研究は限られている。両氏らは今回、母親が妊娠中や出産後に家庭内で喫煙すると、児が3歳になった時点で蛋白尿をきたすリスクと関連するかどうかを、後ろ向きの観察研究で検討した。

妊婦健診と新生児訪問、4カ月、9カ月、18カ月時点および3歳児時点のそれぞれの健診データを用いて、4万4,595児を対象に、妊娠中の母体の喫煙状況〔喫煙歴なし(吸わない)、喫煙歴あり(やめた)、現在喫煙中(吸っている)〕や、4カ月、9カ月、18カ月時点の家庭内の喫煙状況を確認し、児には3歳児健診での蛋白尿(+1以上と定義)の有無を検討した。

その結果、対象とした児の母親のうち、妊娠中もたばこを吸っていた母親は約17%、たばこをやめた母親は約5%であった。児が3歳になった時点の蛋白尿の頻度は、たばこを吸っている母親の児では1.7%、やめた母親の児では1.6%、吸っていない母親の児では1.3%であった。

妊娠中にたばこを吸っていた母親の児では、吸っていない母親の児に比べて蛋白尿を呈するリスクが1.24倍であった(P=0.05)。妊娠中に母親以外の家族が喫煙していた場合では、児の蛋白尿リスクとは有意な関連はみられなかったが、出産後も家庭内で喫煙を続けると、児の蛋白尿リスクに上昇傾向がみられた。

両氏らは、妊娠中に母親が喫煙すると早産や低出生体重リスクが高まることが既に報告されているが、「今回の知見により、妊娠中の母親が喫煙すると腎機能障害という有害な影響ももたらす可能性がある」と述べている。また、小児期に蛋白尿をきたすと、成人期の慢性腎臓病や末期腎不全の発症につながりうることから、「小児期からの腎機能低下を抑制することは重要な課題だ」と、両氏らは付け加えている。(HealthDay News 2017年1月10日)

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