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ピオグリタゾンでメタボリック症候群患者の有酸素運動能力が向上 ――北大の研究グループ(2017.1.10配信)

メタボリック症候群患者では、4カ月間のピオグリタゾン治療により、全身の有酸素運動能力と骨格筋のエネルギー代謝が有意に改善することが、北海道大学大学院医学研究科循環病態内科学の横田卓氏と絹川真太郎氏らの検討でわかった。チアゾリジン系糖尿病薬である同薬の有酸素運動能力に対する効果の一部は、骨格筋における脂肪酸代謝の改善を介したものである可能性があるという。詳細は「Journal of Diabetes Investigation」オンライン版に2016年12月12日掲載された。

有酸素運動能力の低下は、メタボリック症候群患者における全死亡の強い予測因子であることが知られている。今回、両氏らは、男性のメタボリック症候群患者14人を対象に、ピオグリタゾン投与(15mg/日を4カ月間)による全身の有酸素運動能力と骨格筋エネルギー代謝に及ぼす影響について検討した。

対象患者には、治療前後に自転車エルゴメーターによる運動負荷試験を行い、全身の有酸素運動能力を評価した。また、骨格筋エネルギー代謝の評価には、磁気共鳴スペクトロスコピーで測定した安静時の前脛骨筋の筋内脂肪量(intramyocellular lipid;IMCL)および足底屈運動中のふくらはぎ筋肉の高エネルギーリン酸代謝を用いた。

その結果、ピオグリタゾンによる治療前後で、1日の身体活動量には変化はみられなかったが、治療後には最大酸素摂取量および嫌気性代謝閾値(anaerobic threshold;AT)が有意に増加していることがわかった(いずれもP<0.05)。同薬による治療後にはIMCLが26%減少しており、骨格筋における脂肪酸代謝の改善が示唆され、また、運動中の筋肉内のクレアチンリン酸(PCr)の損失も13%軽減しており、骨格筋の高エネルギーリン酸代謝の改善が示唆された。とくに、同薬による治療後には、AT値の増加とIMCLの減少が密接に関連していることも明らかにされ、同薬の最大下における有酸素運動の向上に、骨格筋脂肪酸代謝の改善が関与している可能性が示唆された。

両氏らは、メタボリック症候群患者の治療では、運動療法や食事療法などの生活習慣の改善が最重要であるとしつつ、「今回の知見により、運動能力が低下したインスリン抵抗性を呈する肥満者の治療にピオグリタゾンが適する可能性があることが示唆された」とコメントしている。(HealthDay News 2017年1月10日)

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