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「1-ケストース」が腸内環境やインスリン抵抗性を改善 ――メタボリック症候群の予防効果を示唆

機能性オリゴ糖の「1-ケストース」を摂取したラットでは、腸内細菌のうち乳酸菌や酪酸産生菌が増加して腸内環境が改善するほか、インスリン抵抗性も改善することがわかった。この知見は、名古屋大学大学院生命農学研究科栄養生化学研究分野の下村吉治氏と北浦靖之氏の研究グループが、物産フードサイエンス(株)の栃尾巧氏らとの共同研究で明らかにしたもの。食品成分として1-ケストースを活用することで、生活習慣病やメタボリックシンドロームの予防や改善効果が得られる可能性があるという。詳細は「PLOS ONE」オンライン版に2016年11月18日掲載された。

研究グループが着目した1-ケストースは、スクロース(ショ糖)に1分子のフルクトース(果糖)が結合した三糖フラクトオリゴ糖であり、タマネギやアスパラガスなどの野菜や穀物中に含まれている。砂糖に似た甘みを感じるが、血糖値には影響を与えず、プレバイオティクス効果をもつと考えられている。

研究グループは今回、ラットに異なる1-ケストース含有量(0、0.5、1、2.5、5%)の食事を4週間摂取させ、腸内細菌数の変化や腸内細菌が産生する短鎖脂肪酸量を詳細に解析した。

その結果、1-ケストースを含んだ食事を4週間摂取してもラットの体重や摂食量には変化はみられなかったが、含有量が5%の群では盲腸組織重量と盲腸内容物量が有意に増加した。また、盲腸内の細菌叢を解析したところ、1-ケストースを含むすべての群で、ビフィズス菌や酪酸産生菌が有意に増加し、含有量2.5%以上の群で乳酸、酪酸の量が有意に増えていた。とくに含有量が5%の群ではビフィズス菌は約7,000倍、乳酸は約5倍、酪酸は約10倍に増加していた。

さらに、1-ケストースを摂取すると、空腹時の血糖値や総コレステロール値には変化はみられなかったが、含有量2.5%以上の群では血中インスリン濃度が有意に低下し、インスリン抵抗性が改善する可能性があることも判明した。

以上の結果から、下村氏らは「内臓脂肪の蓄積に伴うインスリン抵抗性は、糖尿病や脂質異常症、高血圧などの生活習慣病をもたらすとされるが、1-ケストースの摂取はインスリン抵抗性を改善することで、これらの疾患の発症予防に効果を発揮する可能性がある」と述べている。(HealthDay News 2017年1月23日)

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