2HDN糖尿病ニュース1月26日配信2
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小腸の炎症や細菌叢が1型糖尿病の発症に関連か

1型糖尿病患者の消化器系には、自己免疫疾患をもたない人ではみられない変化が生じていることが、イタリアの研究で示された。両者の間には小腸の細菌叢や炎症の程度に差がみられ、この差が1型糖尿病の発症に重要な役割を担っている可能性があるという。

「わたしたちはこれまで、1型糖尿病の原因を膵臓にあるものと考えてきたが、実際は腸が鍵となる可能性が示された」と、研究指導著者であるサンラファエル糖尿病研究所(イタリア、ミラノ)のPiemonti Lorenzo氏は述べている。

しかし、同氏は、こうした腸内の変化が、1型糖尿病の発症につながる自己免疫機序による膵β細胞の破壊を引き起こしていると結論づけることは、現段階ではできないとしている。

今回の研究は、2009~2015年に内視鏡検査および十二指腸(小腸の入り口部分)の生検を受けた成人男女54人を対象としたもので、参加者はボランティアあるいは消化器系の問題があると診断を受けていた。このうち19人は1型糖尿病患者、19人はセリアック病患者で、残りの16人は健康な対照群であった。

セリアック病も自己免疫疾患の1つで、グルテンの摂取により小腸に損傷がもたらされる疾患を指す。同氏によると、一般に1型糖尿病患者の約1割ではセリアック病を合併しており、「これらの疾患には共通点も多くみられるが、同一のものではない」と説明している。なお、今回の研究の参加者では、これらの疾患を併存した患者はみられなかった。

今回の研究では、消化管内膜の高解像度な撮影写真のほか、組織試料を用いることで、腸の炎症と細菌叢を直接的に調べることができた。過去の研究では、腸内細菌叢をみるには糞便試料に頼らざるをえなかった。米JDRF(旧・青少年糖尿病研究財団)のJessica Dunne氏によると、腸内細菌叢の構成は消化管の部位で変わるため、「この研究で示唆されるように、小腸が1型糖尿病の発症に関連している可能性がある」と述べている。

今回の研究で、1型糖尿病患者群では、セリアック病患者群や対照群に比べて、特定の10個の遺伝子に関連する十二指腸粘膜での炎症が有意に高まっていることがわかった。また、1型糖尿病患者では腸内細菌叢の構成も異なっていた。

Lorenzo氏は「この知見は、1型糖尿病患者の複雑な病態を理解するうえで重要な情報であり、1型糖尿病の発症リスクが高い人に対する新しい治療法の開発につながる可能性もある」と研究の意義について述べている。

また、Dunne氏は「1型糖尿病患者における腸内の変化が明らかにされた興味深い知見だ。炎症プロセスが糖尿病発症の根底にあるという考えを支持するものだ」と述べている。

この知見は、「Journal of Clinical Endocrinology & Metabolism」オンライン版に1月19日掲載された。(HealthDay News 2017年1月19日)

https://consumer.healthday.com/diabetes-information-10/type-i-diabetes-news-182/study-ties-inflammation-gut-bacteria-to-type-1-diabetes-718839.html

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