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睡眠不足が食欲を亢進し、肥満をもたらす機序を解明 ――食欲抑制ホルモンの減少が関与、早稲田大ら

睡眠時間を大幅に制限すると、食欲抑制にはたらくホルモンが減少し、空腹感が増すなど食欲に影響を及ぼし、その結果、肥満リスクが増加することを、早稲田大学スポーツ科学未来研究所の内田直氏らが、花王株式会社ヘルスケア食品研究所との共同研究で明らかにした。睡眠時間を制限しても1日のエネルギー消費量には変化はみられなかったことから、カロリー摂取量が増えることで体重増加リスクが高まるという。詳細は「Scientific Reports」オンライン版に1月10日掲載された。

これまでの疫学研究で、慢性的な睡眠不足が肥満をもたらすことがわかっていたが、睡眠時間がヒトのエネルギー代謝にどういった影響を及ぼすのか、その詳細な機序は明らかにされていなかった。そこで、研究グループは健康な男性を対象に、睡眠時間を通常の7時間と比較して3.5時間に制限した場合のエネルギー代謝や食欲の変化を観察した。

対象は、平均年齢23歳の健康な男性9人。参加者には決められた食事をとってもらったうえ、(1)7時間睡眠を3日間続けてもらい、3日目の7時間睡眠と翌日の睡眠回復を含む48時間における代謝への影響をメタボリックチャンバーで測定。次に、2週間の休止期間ののち、(2)3.5時間睡眠を3日間続けてもらい、3日目の3.5時間睡眠と翌日の睡眠回復を含む48時間におけるエネルギー代謝への影響を同様に測定した。二重盲検デザイン下で、(1)と(2)をランダムな順番で行った。なお、メタボリックチャンバーとは、ヒトのエネルギー代謝を日常生活に近い環境で、長時間、正確に測定できる代謝測定装置を指す。

その結果、睡眠時間を7時間から半分に制限すると、夜間のエネルギー消費量は増加した一方で、1日のエネルギー消費量には変化はみられないことがわかった。また、睡眠時間を制限すると、食欲抑制作用をもつペプチドホルモンであるペプチドYY(PYY)の分泌が有意に低下したほか、1時間ごとに質問票で評価した空腹感が増すなど、食欲に影響を及ぼすことも明らかになった。さらに、睡眠時間を減らすと直腸で測定した深部体温が有意に低下し、体温の日内リズムに影響していることが明らかになった。(HealthDay News 2017年1月30日)

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