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脂肪組織の肥大化を促す血管新生因子を同定 ――富山大の研究グループ

富山大学大学院病態制御薬理学の笹岡利安氏らの研究グループは、肥満につながる脂肪組織の肥大化に、血管新生因子である血小板由来成長因子(PDGF)-Bが重要な役割を担っていることを、マウスを用いた実験で突き止めた。脂肪組織におけるPDGF-Bが血管新生を促し、過剰な栄養が蓄積されることで脂肪組織が肥大化し、肥満につながる可能性があり、この阻害が生活習慣病の新しい治療標的になると期待される。詳細は「Diabetes」オンライン版に1月26日掲載された。

メタボリックシンドロームや2型糖尿病の発症基盤には、内臓脂肪の蓄積が重要であることが知られている。この内臓脂肪の肥大化には、脂肪組織に酸素や栄養を供給する血管の発達が重要であるとされるが、詳細なメカニズムは明らかにされていない。

そこで、研究グループは、高脂肪食を摂取させて肥満したマウスの全身の各組織において、PDGF-Bとその受容体のPDGFRβの発現量を検討したところ、肥満に伴って脂肪組織でPDGFRβの遺伝子発現量が顕著に増加していることを見いだした。

また、詳細な検討の結果、このPDGF-Bは、肥大化した脂肪組織においてマクロファージから分泌されたPDGFが、血管から血管周囲細胞(ペリサイト)の脱離を促して、ペリサイトに覆われていない部位での血管増殖を亢進させ、新しい血管をつくるよう指示する「司令塔」の役割を担っていることも判明した。研究グループによると、脂肪組織では、PDGF-Bの指示で血管新生が促進され、過剰な栄養の蓄積につながっている可能性があるとしている。

さらに、PDGFRβを欠損したマウスを用いた検討により、PDGF-Bの作用を阻害すると、マウスが高脂肪食を摂取しても脂肪組織の肥大化は認められず、血糖値や血清脂質値は上昇しないこともわかった。なお、このPDGFRβ欠損マウスでは基礎代謝が高く、エネルギーが脂肪に蓄積されない特徴がみられたという。(HealthDay News 2017年2月6日)

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