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ホルモン療法で前立腺がん再発後の生存率が向上

手術後に再発した前立腺がんに対し、放射線療法とテストステロン抑制薬を併用することにより、一部の患者の余命が延びることが新たな臨床試験で示され、「New England Journal of Medicine」2月2日号に掲載された。

約20年間にわたる研究の結果、放射線療法単独に比べ、併用療法では前立腺がんによる死亡リスクが半減することがわかったという。すべての患者に便益があるわけではなく、テストステロン抑制薬には女性化乳房などの副作用もあるため注意が必要だが、今回の知見は診療を変える可能性があると、研究を実施した米マサチューセッツ総合病院(ボストン)のWilliam Shipley氏は述べている。

一方、米フォックス・チェイスがんセンター(フィラデルフィア)のAlexander Kutikov氏は、「今回の試験は1998年に開始されたものであり、現在では、本試験で使用したビカルタミドに代わる新薬として、ゴナドトロピン放出ホルモン作動薬(ロイプロリド、ゴセレリンなど)が出ている」と指摘し、治療の状況も変化していると話す。米マウントサイナイ・アイカーン医科大学(ニューヨーク市)のAshutosh Tewari氏によると、このような新薬と放射線療法の併用治療はすでに利用されており、進行中の臨床試験でも良好な成績が認められているという。

しかし、長期研究で生化学的再発(がん再発の徴候であるPSA値上昇が始まった状態)のみられる男性の余命延長が実際に認められたのは、今回の試験が初めて。前立腺がんは緩やかに進行するため、生存率の面でビカルタミドの効果を認めるまでには10年以上を要したと、研究グループは述べている。

米国では2016年に約18万1,000人が前立腺がんと診断された。患者の多くが手術を受けるが、30%以上に生化学的再発がみられるという。今回の研究では、限局性前立腺がんで手術を受け、後に生化学的再発を認めた患者760人を、ビカルタミド群とプラセボ群に無作為に割り付けた。12年後、ビカルタミド群では6%が前立腺がんで死亡したのに対し、プラセボ群では13%であった。

ただし、試験登録時のPSA値が低かった男性(0.7未満)やGleasonスコア(腫瘍の顕微鏡所見に基づくスコア)が7未満の男性には差がみられなかったという。このことから、低リスクのがんにホルモン療法を実施すると「過剰治療」になるおそれがあり、不必要な副作用が懸念されるとKutikov氏は述べている。ホルモン療法の副作用には、性欲減退や勃起不全などがある。(HealthDay News 2017年2月1日)

https://consumer.healthday.com/cancer-information-5/prostate-cancer-news-106/hormonal-drug-boosts-survival-after-prostate-cancer-s-return-study-719276.html

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