4HDN国内ニュース2月13日配信2
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思春期小児でインスリン分泌能に性差 ――インスリン抵抗性は女児、インスリン分泌不全は男児で多い

日本人の思春期の小児では、インスリン抵抗性の割合は男児に比べて女児で有意に高い一方で、インスリン分泌不全の割合は男児で有意に高いことが、東京慈恵会医科大学糖尿病・代謝・内分泌内科の西村理明氏らの研究グループの調査でわかった。インスリン抵抗性の存在と肥満との間に関連はみられなかったが、男児で多くみられたインスリン分泌不全はBMIの低さと強く関連するといった性差もみられたという。詳細は「Journal of Diabetes Investigation」オンライン版に1月28日掲載された。

世界各国と同様に、日本でも小児肥満の増加が指摘されている。小児期から思春期にかけて肥満であると、成人後に心筋梗塞や脳卒中といった心血管疾患を発症するリスクが高まるとの報告もある。また、メタボリックシンドロームにつながる肥満発症の基盤には、インスリン抵抗性が深く関与しているが、小児や思春期の肥満とインスリン抵抗性との関連を調べた研究は限られている。

そこで、研究グループは、思春期の小児を対象にインスリン抵抗性指数(HOMA-IR)を用いてインスリン抵抗性やインスリン分泌能を評価し、肥満との関連を調べる横断観察研究を行った。

対象は、新潟県中魚沼郡津南町に在住し、2009~2014年に健康診断で空腹時血糖値やインスリン値を測定した中学校3年生の生徒445人(うち男児は252人)。インスリン抵抗性はHOMA-IRが2.5以上、インスリン分泌不全はHOMA-βが40未満と定義した。また、肥満は男児ではBMIが22.96以上、女児では23.66以上と定義した。

解析の結果、HOMA-IR、HOMA-β、DI〔disposition index;インスリン感受性指数(SI)×初期インスリン分泌反応(AIR)で算出される指標〕、BMIそれぞれの中央値は、男児では各1.2、64、52、19.2、女児では各1.5、86、60、20.4であり、HOMA-IR、HOMA-βおよびDI値は男児に比べて女児で有意に高かった。男児では、女児に比べて空腹時血糖値が有意に高かった(93mg/dL対90mg/dL、P<0.001)。

また、インスリン抵抗性をもつ割合は男児に比べて女児で有意に高かったが(15.5%対8.7%、P=0.027)、肥満の有所見率は約10%(男児9.9%、女児10.7%)とインスリン抵抗性との関連はみられなかった。一方で、インスリン分泌不全の割合は男児で有意に高く(20.6%対8.8%、P=0.001)、インスリン分泌不全とBMIの低さの間には有意な強い関連がみられた。

さらに、男児ではBMIの増加はインスリン抵抗性の上昇と有意に関連していたが、女児ではこうした傾向はみられなかった。このため、女児ではBMI増加の影響は男児よりも多様であり、肥満度が増加しなくてもインスリン抵抗性が上昇しやすい女児が存在することも想定すべきだという。(HealthDay News 2017年2月13日)

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