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前向きな心理や社会とのつながりが糖尿病腎症リスクに影響 ――阪大の研究グループ

幸福感が高く、心理的ストレスをあまり感じず、社会とのつながりも強いことは、2型糖尿病患者において細小血管合併症である糖尿病腎症のリスク低下と関連する可能性のあることが、大阪大学大学院内分泌・代謝内科の片上直人氏と二宮浩世氏らの研究グループによる検討でわかった。患者が自己申告した心理・社会的な因子と細小血管合併症との関連を日本人で検討した研究は初めてだという。詳細は「Journal of Diabetes Investigation」オンライン版に2月8日掲載された。

自己効力感や心理的な負担に対する抵抗力が強く、また社会的サポートが充実していると、糖尿病患者では積極的に運動や食事管理を行うようになり、これが良好な血糖コントロールをもたらし、結果的に転帰の改善にもつながると考えられている。一方で、こうした心理・社会的な因子が糖尿病腎症などの細小血管障害に及ぼす影響については明らかにされていなかった。

研究グループは、同大学病院に通院中の30~79歳の2型糖尿病患者343人(平均年齢は65.1歳、男性が約56%)を対象とした前向き観察研究のベースライン調査結果を用いて、対象患者を糖尿病腎症の有無で分けて心理・社会的因子による影響を調べた。評価した因子は「幸福感」「楽観性」「笑う頻度」「自覚しているストレスの程度」「社会とのつながり」「社会的支援」の6つとし、自記式アンケートの結果に基づいて評価した。

その結果、糖尿病腎症をもたない患者に比べて、糖尿病腎症を合併した患者では幸福感や楽観性が低く、社会とのつながりや社会的支援が不十分であることがわかった。年齢や性で調整したロジスティック回帰分析によると、検討した6つの因子のうち、「笑う頻度」を除く5つの因子が糖尿病腎症リスクの低減と関連していた。また、腎症の古典的なリスク因子である糖尿病罹病期間、高血圧や脂質異常症の有無、HbA1c値、喫煙習慣などで調整した解析でも、これらの因子は腎症のリスク因子であり続けていた。(HealthDay News 2017年2月20日)

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