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「第三の脂肪」の蓄積が高齢者のサルコペニアと関連 ――筋肉内の脂肪蓄積に悪影響、名大研究グループ

高齢者では筋肉内に脂肪が蓄積すると、筋肉量や筋力が低下するサルコペニアと強く関連し、運動機能にも悪影響を及ぼすことが、名古屋大学総合保健体育科学センターの秋間広氏らの研究グループによる検討でわかった。

心臓や肝臓、筋肉といった通常はほとんど脂肪が蓄積することのない臓器に蓄積した「異所性脂肪」は、近年では“第三の脂肪”として健康障害を引き起こすものと注目を集めている。研究グループは、今回の知見から、若年・中年層だけでなく高齢者でも健康を維持するには、定期的な運動で筋肉量を維持し、筋内脂肪と呼ばれる筋肉内の脂肪蓄積を抑える必要があることが示唆されたとしている。詳細は「Archives of Gerontology and Geriatrics」オンライン版に1月14日掲載された。

これまでの研究で、筋内脂肪が増えるとインスリン抵抗性を引き起こし糖尿病発症の引き金になることや、運動機能に悪影響を及ぼすことなどが報告されていた。そこで今回、研究グループは、高齢の日本人において筋内脂肪を超音波画像を用いて計測し、運動機能や体組成などの因子と関連するのかを検討した。

対象は高齢の男女64人で、太ももの超音波横断画像を撮影し、画像を分析して筋肉内の脂肪蓄積の度合いを数値化した。また、この画像から筋肉の厚さ(筋量の指標)、皮下脂肪の厚さ(脂肪量の指標)も同時に計測した。さらに、椅子の座り立ちを連続10回行う際に要する時間や寝た状態から立ち上がるまでに要する時間、6分間歩行距離などを測定し、運動機能を評価した。

その結果、超音波画像から計測した筋量・脂肪量の指標から、男性では筋肉量が多く、一方で女性では皮下脂肪量が多いことがわかった。また、運動機能を評価したところ、ほとんどの種目で男性が女性より有意に優れていた。

次に、筋内脂肪の指標と筋肉の厚さまたは皮下脂肪の厚さとの関連を検討した結果、男女ともに筋内脂肪の指標と筋肉の厚さとの間には有意な負の関連がみられた。研究グループによると、この結果は、筋内脂肪が増えると筋肉量が減少することを意味しており、筋内脂肪が多い高齢者ではサルコペニアになりやすい可能性あるとしている。筋内脂肪の指標と皮下脂肪の厚さについては、女性でのみ有意な関連がみられ、脂肪組織が体に蓄積するパターンには性差がみられることが判明した。

さらに、筋内脂肪の指標と関連する因子として、高齢男性では筋肉の量、脚の筋力指標となる座り立ち機能に加えて年齢も強く関連することがわかった。(HealthDay News 2017年2月20日)

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