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SGLT2阻害薬の安全性に炭水化物比率が影響 極端な炭水化物制限下で重篤な副作用を生じる可能性

2型糖尿病患者において、SGLT2阻害薬のルセオグリフロジンは、毎日の食事の炭水化物比率が40~55%であれば、炭水化物比率やグリセミック指数(GI)にかかわらず血糖値を改善することが、関西電力医学研究所の矢部大介氏らの研究グループの検討でわかった。

しかし、炭水化物比率を40%に制限すると、比率が55%だった場合に比べて、同薬の使用により血中のケトン体が有意に上昇することも判明した。これにより、極端な炭水化物制限を行うと正常血糖糖尿病ケトアシドーシスを引き起こす可能性があることが示唆された。同薬の適切な使用にあたっては、患者の習慣的な食事の内容や量を把握することが重要になるという。詳細は「Diabetes, Obesity and Metabolism」オンライン版に12月19日掲載された。

2014年4月に日本でも発売開始されたSGLT2阻害薬は、不適切な使用に関連した重篤な副作用が報告されており、日本糖尿病学会および日本糖尿病協会は、同薬の適正使用に関するRecommendationを公表している。副作用には、脱水や脳梗塞、心筋梗塞のほか、重症低血糖やケトアシドーシスなどが報告されているが、とくに血糖値が正常に近くてもケトアシドーシスをきたす「正常血糖糖尿病ケトアシドーシス(eDKA)」は進行すると死に至る場合もあり、重要な課題とされている。

研究グループは今回、厳格な炭水化物制限を行っている2型糖尿病患者において、SGLT2阻害薬の使用開始後にeDKAをきたした症例が報告されていることから、日常的な食事の炭水化物比率別にルセオグリフロジンの有効性と安全性を比較検討した。

2型糖尿病患者23人を対象に、炭水化物比率とGIが異なる3群-(1)炭水化物比率55%+高GI、(2)炭水化物比率55%+低GI、(3)炭水化物比率40%+高GI-にランダムに割り付け、同じ内容の食事を14日間継続してもらった。対象患者には、後半の1週間にはルセオグリフロジンを服用してもらい、同薬の服用前後に持続血糖測定(CGM)を行った。

その結果、3群すべてにおいて、ルセオグリフロジンを服用するとCGMによる血糖の平均値および曲線下面積が有意に改善していた。一方で、炭水化物比率が40%だった群では、比率を55%とした2群に比べて、同薬を使用すると血中ケトン体が有意に上昇することもわかった。

SGLT2阻害薬により尿糖排出が促進されると、肝臓におけるグリコーゲン分解、糖新生が活性化されるとともに、脂肪分解が促進される。脂肪分解の際に放出される遊離脂肪酸によって肝臓でのケトン体合成が促進されるが、研究グループによると、過度な炭水化物制限を行うと、同薬に対するこうした生体反応が促され、eDKAの発症につながる可能性があるとの見解を示している。(HealthDay News 2017年2月27日)

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