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ありふれたウイルスが女性の心疾患や糖尿病と関連

サイトメガロウイルス(CMV)というごく一般的なウイルスに感染すると、女性では心疾患や2型糖尿病を発症するリスクが高まる可能性があることが、新しい研究で示唆された。

CMVはヘルペスウイルスの一種で、米国では40歳までに約半数の人が感染するが、免疫が低下していない健康な人ではあまり症状は現れないとされる。

この研究によると、適正体重の50歳未満の女性がCMVに感染すると、感染していない女性に比べてメタボリックシンドロームになりやすいことがわかった。メタボリックシンドロームは、腹部肥満やコレステロール値の異常、高血圧、高血糖などの心疾患や糖尿病の複数のリスク因子が重積した状態を指す。

一方で、肥満の女性ではCMVに感染していない女性のほうが、感染した女性に比べてメタボリックシンドロームになりやすいことも判明した。しかし、研究者らは、肥満の女性ではそもそも適正体重の女性よりもメタボリックシンドロームになりやすいことを指摘している。

「CMVに感染した女性がメタボリックシンドロームになる確率は、肥満の有無や肥満度によって大きく異なることがわかった」と、筆頭著者である米カリフォルニア大学サンフランシスコ校(UCSF)小児科のShannon Fleck-Derderian氏は述べている。

メタボリックシンドロームは、軽度な炎症が長期にわたって続くことが発症の引き金になると考えられている。同氏らは、CMV感染は炎症性腸疾患や血管疾患などの炎症状態と関連すると指摘している。

この研究は、1999~2004年の米国国民健康栄養調査(NHANES)から抽出した20~49歳の成人男女2,532人のデータを用いて解析したもの。参加者を適正体重、過体重、肥満、重度肥満の4つのカテゴリーに分けてCMV感染とメタボリックシンドロームの有無との関連を調べた。

その結果、年齢、人種、家庭の経済状況といった因子を調整後の解析により、CMVに感染した適正体重の女性では約5%がメタボリックシンドロームのリスク因子を3つ以上有していたのに対し、感染していない女性では1%未満に過ぎなかった。また、CMVに感染した適正体重の女性では27%でHDL-コレステロール値の低下がみられたが、感染していない女性では19%であった。

さらに興味深いことに、CMVに感染した重度肥満の女性では、56%がメタボリックシンドロームのリスク因子を3つ以上有していたが、感染していない女性では83%に上ることもわかった。CMVに感染した重度肥満の女性ではHDL-コレステロール値が高く、トリグリセライド(中性脂肪)の値が低いことも判明した。

以上の結果から、著者らは、重度肥満の女性ではCMVへの感染がメタボリックシンドロームの予防に働く可能性があると結論づけている。一方で、こうした関連性は男性では認められなかった。

UCSF小児科准教授で研究指導著者を務めるJanet Wojcicki氏は、「重度肥満の女性は他の女性とは代謝環境が大きく異なっている。腹部に過剰に蓄積した脂肪細胞は健康に悪影響を及ぼすことが知られているが、CMV感染はこれに対して防御的に働く可能性が考えられる」と説明している。なお、著者らはこの研究は因果関係を証明するものではなく、詳細を解明するにはさらなる研究を行う必要があると付け加えている。

この知見は、「Obesity」オンライン版に2月23日掲載された。(HealthDay News 2017年2月23日)

https://consumer.healthday.com/infectious-disease-information-21/virus-health-news-697/common-virus-may-be-linked-to-heart-disease-diabetes-in-some-women-719931.html

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