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抗うつ薬の「適応外処方」は一般的だがエビデンス不足

抗うつ薬は、医師により法的に承認されていない用途で処方されることも多いが、このような「適応外」使用の多くは、その有効性を裏づける科学的根拠がないことがわかった。カナダの研究によると、抗うつ薬の3分の1は疼痛、不眠症、片頭痛などの未承認の用途に使用されており、そのうち16%には研究による裏づけがないことが明らかにされた。

研究の筆頭著者であるマギル大学(カナダ、モントリオール)のJenna Wong氏は、この知見が医師の認識を促すことを期待すると述べている。ある用途での適応外処方が医師の間で広く行われている場合は特に、それがエビデンスに基づくものでないことを認識していない医師もいると思われるという。

このほか、たとえば高齢者の不眠症治療など、承認済みの薬剤に重大な副作用がある場合にも、医師の判断で抗うつ薬が処方されることがある。

今回の研究では、カナダ、ケベックで2003~2015年に174人の医師が発行した10万件を超える抗うつ薬の処方せんを分析した。適応外使用が特に多かった抗うつ薬はトラゾドンで、クラス別ではアミトリプチリンなどの三環系抗うつ薬であった。選択的セロトニン再取り込み阻害剤(SSRI)、セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害剤(SNRI)の適応外処方は比較的少なかった。

代替として処方された薬の44%は、その意図での有効性を裏づける強力な研究がなく、40%は直接の根拠はないものの同クラスの類似する薬剤に関するエビデンスがあった。

この結果は「BMJ」オンライン版に2月21日掲載された。

付随論説の著者である英ダンディー大学(スコットランド)のDaniel Morales氏は、「一部の適応外処方は、強力なエビデンスはあるものの、承認申請の手続きが複雑で費用も高いために製薬会社が申請していない場合もある」と指摘する。一方、米イェール大学予防研究センターのDavid Katz 氏は、適応外処方を否定的に捉えるべきではないと警告し、「多国籍の無作為化試験による裏づけがなくても、薬は意図したとおりに効くこともある」と述べている。

Wong氏らは、抗うつ薬の適応外使用について有効性を検討するにはさらに研究を重ねる必要があると述べる。また、「エビデンスがない場合、医師は保守的な処方を行うか、患者と治療決定のプロセスを共有し、抗うつ薬の使用が適切な選択かどうかを判断することを勧める」と、同氏は付け加えている。(HealthDay News 2017年2月22日)

https://consumer.healthday.com/mental-health-information-25/antidepressants-news-723/off-label-antidepressants-common-but-where-s-the-evidence-719936.html

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