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若年発症糖尿病、合併症リスクが高いのは1型か2型か?

小児期~思春期に糖尿病を発症した若年患者では、1型糖尿病患者よりも2型糖尿病患者で合併症の有病率が高いことが、新しい研究で示された。この研究によると、若年の2型糖尿病患者では4人に3人が1つ以上の合併症を有していたのに対し、1型糖尿病患者では3人に1人にとどまったという。

若年の1型糖尿病患者と2型糖尿病患者で合併症の有病率に大きな差がみられたのはなぜか-。本研究の筆頭著者である米コロラド公衆衛生大学院教授のDana Dabelea氏は「両者の大きな違いは肥満にある」と指摘。肥満に関するデータを調整して解析すると、合併症の有病率には1型と2型で差はみられなくなったという。

今回の研究では明るい知見も得られている。同氏は「若年糖尿病患者でみられた合併症の多くは初期症状や症状が現れていない段階のもので、ダメージを受けても回復できる」と付け加えている。

糖尿病患者は1型、2型ともに世界中で増加傾向にある。2型糖尿病患者ではインスリン抵抗性が生じてインスリンを効率的に使うことができず、血糖値が高まる。この発症や進展には肥満が強く関与することが明らかにされている。また、同氏によると、成人の2型糖尿病患者では薬物治療の選択肢が数多くあるが、若年患者では治療法に限りがある。一方の自己免疫疾患である1型糖尿病の発症には肥満はさほど寄与していないとされる。

今回の研究は、2002~2015年に20歳未満で糖尿病を発症した若年の1型糖尿病患者1,746人(平均年齢18歳、76%が白人)と2型糖尿病患者272人(同22歳、約27%が白人)を対象としたもので、2011~2015年に対象患者の合併症の有病率を調べた。1型糖尿病患者、2型糖尿病患者ともに糖尿病の罹病期間は平均で約8年であり、両者で血糖値に差はみられなかった。

その結果、糖尿病腎症の有病率は2型糖尿病患者の約20%に対し、1型糖尿病患者では約6%であり、糖尿病網膜症はそれぞれ約9%、約6%、末梢神経障害はそれぞれ約18%、約9%であった。

また、動脈壁硬化(arterial stiffness)は2型糖尿病患者の約47%にみられたのに対し、1型糖尿病患者では12%に満たず、高血圧はそれぞれ約22%、約10%で認められた。同氏は、動脈壁硬化と高血圧は疾患管理だけで改善させることは難しく、最も懸念される合併症であると指摘している。

若年の1型糖尿病と2型糖尿病の違いには、肥満以外の因子も影響を及ぼしている。たとえば、小児の患者では1型糖尿病に比べて2型糖尿病のほうが糖尿病の進行が速く、治療選択肢に限りがあることも合併症リスクに影響している可能性がある。同氏はまた、小児の2型糖尿病患者の患者背景は幅広く、家庭の経済的な事情で治療を受けられないケースも含まれていると指摘している。

米国糖尿病協会(ADA)のWilliam Cefalu氏は、「若年発症の2型糖尿病患者は合併症リスクが高いということを医師も患者の家族も理解しておく必要がある」と強調している。同氏はまた、こうした患者では血糖コントロールや定期的な運動、減量で合併症リスクを抑える必要があるほか、血圧測定と腎臓の検査を定期的に行うようにアドバイスしている。

また、眼科検診については、1型糖尿病の場合はADAにより診断から5年後に検診を受けることが推奨されているが、2型糖尿病の場合は診断されたらすぐに眼科を受診し、その後も毎年検診を受ける必要があるとしている。

この知見は、「Journal of the American Medical Association(JAMA)」2月28日号に掲載された。(HealthDay News 2017年2月28日)

https://consumer.healthday.com/diabetes-information-10/type-ii-diabetes-news-183/youth-with-type-2-diabetes-often-face-complications-720154.html

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