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糖尿病患者の診察時間に影響を及ぼす因子とは? ――日本人の糖尿病患者約1,100人を解析

医師が糖尿病患者を診察する時間は患者のHbA1c値が高いほど長くなり、また、1型糖尿病患者やインスリン注射、睡眠導入薬、抗不安薬を使用している患者の場合も医師は診察に時間をかける傾向がみられることが、東海大学医学部付属八王子病院総合内科の壁谷悠介氏らの研究グループの調査でわかった。医師側の因子としては女性であることと、40歳未満の医師に比べて40~60歳、60歳以上と年齢が高まるにつれて診察時間が長くなる傾向がみられた。詳細は「Diabetes Research and Clinical Practice」4月号に掲載された。

医師と患者が対面する診察時間は糖尿病診療の質に大きな影響を及ぼし、医師と患者間の関係を良好に保つためにも十分な診察時間を設けることが重要とされている。しかし、実際の臨床現場では診察時間をコントロールすることは困難である。そこで研究グループは、糖尿病患者の診察時間に影響を及ぼす患者側および医師側の因子について検討した。

研究グループは、東京都内にある某病院の大規模糖尿病外来において、2014年4~5月に22人の医師(このうち15人が男性、16人が糖尿病専門医)が診察した糖尿病患者1,197人を対象に横断研究を行った。医療記録を用いて患者の臨床的特徴や診察時間を調べ、患者側および医師側の因子と診察時間との関連を調査した。対象患者の平均年齢は66歳、25%が女性で、2型糖尿病患者が9割を占めており、HbA1c平均値は7.6%であった。

解析の結果、対象患者全体の診察時間は平均で10.1分であった。多変量解析の結果、診察時間に影響を及ぼす因子として「1型糖尿病」「インスリン注射を使用」「睡眠導入薬または抗不安薬の使用」が浮かび上がった。患者の年齢や性、服用している血糖降下薬の数、治療に対する満足度や外来受診の間隔と診察時間との間には有意な関連はみられなかった。

また、診察時間には「HbA1c値」との間にも有意な関連がみられ、HbA1cが高値なほど診察時間が長くなることがわかった。HbA1c値が「7.0%未満」の患者に比べて、「7.0%以上8.0%未満」、「8.0%以上9.0%未満」、「9.0%以上」の患者ではHbA1c値が高値なほど診察時間が長くなり、「7.0%未満」に対する比はそれぞれ1.03、1.16、1.17であった。「BMI」との間にも有意な関連がみられ、BMIが「20以上25未満」の患者がもっとも診察時間が短く、それよりもBMIが低い場合も高い場合も診察時間は長くなることがわかった。

さらに、医師側の因子をみると「女性」であることと40歳未満の医師に比べて40~60歳、60歳以上と年齢が高まるにつれて診察時間が長くなる傾向がみられた。

研究グループは、この知見を糖尿病患者の診療予約に活かすことで待ち時間を減らして外来の混雑緩和を図れるほか、医師の診察時間を効率的に配分するための対策にも活用できるのではないかと話している。(HealthDay News 2017年3月13日)

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