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グルテンの摂取制限で2型糖尿病リスクが増加する

小麦粉や大麦、ライ麦などに含まれるたんぱく質の成分である「グルテン」の摂取を制限するグルテンフリーダイエット。最近注目を集めているこのダイエット法などでグルテンの摂取量を減らすと2型糖尿病の発症リスクが増加することが、米国の大規模研究で示された。

この知見はグルテンフリーダイエットが2型糖尿病を発症する原因であることを証明するものではないが、長期にわたるグルテン制限の有益性に疑問を投げかける結果が得られた。

研究を主導した米ハーバード大学T.H.チャン公衆衛生大学院(ボストン)のGeng Zong氏によると、グルテンを含む食品を摂取すると免疫機構が小腸を攻撃する自己免疫疾患のセリアック病をもつ患者などではグルテンの摂取を避ける必要があるが、そうした患者以外の人たちがグルテンの摂取を制限する利点についてはほとんど研究されていないという。

米国では、グルテンフリーやグルテン摂取量をできる限り制限する食事法は健康的にやせられるとして人気を博している。ある研究では、グルテンフリーダイエットを試みたことのある米国人は2009年から2014年には3倍に増加したことが報告されている。

今回の知見は、Nurses’ Health Study(NHS)、Nurses’ Health StudyⅡ(NHSⅡ)、Health Professionals Follow-up Study(HPFS)の3つのコホート研究から米国の医療従事者19万9,794人を対象として2~4年ごとに食生活に関する質問紙調査を行い、30年間以上追跡したデータに基づくもの。グルテン摂取を制限するダイエット法は1980年代の研究開始当時には存在しておらず、対象者のグルテン摂取量はパンやシリアル、パスタの摂取量により異なっていた。

調査の結果、追跡期間中に1万5,947人が2型糖尿病を発症した。同氏らがグルテンの摂取量に注目して解析したところ、摂取量が最も少ない群で2型糖尿病の発症リスクが高いことがわかった。

対象者のほとんどはグルテン摂取量が1日12g未満で、平均では6~7gであった。グルテン摂取量が1日4g未満の最も摂取量が少ない群(全体の20%)に比べて、グルテン摂取量が最も多い群(同様に全体の20%)では2型糖尿病の発症率が13%低かった。

また、運動習慣や体重、カロリー摂取量、糖尿病の家族歴といった因子を調整した解析でも、グルテン摂取量と2型糖尿病リスクとの間には関連がみられた。

この知見は、米ポートランドで3月7~10日に開催された米国心臓協会(American Heart Association)Epidemiology and Prevention/Lifestyle and Cardiometabolic Health 2017会議で報告された。

米ノースフロリダ大学臨床栄養プログラム長を務めるLauri Wright氏(本研究には参加していない)は、今回の知見は両者の因果関係を証明するものではなく、糖尿病リスクの高い人がグルテンを含有する食品を避けていることが背景にある可能性を指摘している。

同氏は、セリアック病でないならばグルテンを制限するよりも炭水化物の質に配慮すべきであり、野菜や果物、食物繊維の多い全粒穀物を食べるようにとアドバイスしている。

また、Zong氏らは、グルテンを制限すると糖尿病やその他の慢性疾患の予防に有益な食物繊維の摂取量も減ってしまう点を強調している。今回の研究でもグルテンを制限している人では食物繊維の摂取量が少なく、これが2型糖尿病のリスク増加に寄与した可能性もあることから、「グルテンばかりに気を取られるのではなく、栄養豊富でバラエティー豊かな自然食品を摂取することが重要だ」と述べている。

なお、学会で発表された知見は、査読を受けた専門誌に掲載されるまでは予備的なものとみなされる。(HealthDay News 2017年3月9日)

https://consumer.healthday.com/vitamins-and-nutrition-information-27/gluten-975/downside-to-gluten-free-diets-diabetes-risk-720525.html

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