4HDN国内ニュース3月21日配信1
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身体活動量が糖尿病網膜症リスクと関連 ――日本人2型糖尿病患者1,814人を解析

運動量が多い人ほど糖尿病の3大合併症の1つである糖尿病網膜症の発症リスクが低下することが、奈良県立医科大学糖尿病学講座の石井均氏らの研究グループの調べでわかった。日本人の2型糖尿病患者を対象とした大規模研究でこれらの関連を調べたのは初の試み。細小血管合併症の予防において運動が重要である可能性が示唆された。詳細は「PLOS ONE」オンライン版に3月3日掲載された。

これまでの研究で、身体活動量が増えると心血管イベントの発症リスクが低下することや、2型糖尿病患者では身体活動量の減少は全死亡の独立した予測因子であることが報告されている。一方で、運動量が減ると糖尿病の細小血管合併症の1つである糖尿病網膜症の発症リスクが増加するのかは明らかにされていなかった。研究グループは今回、2型糖尿病患者を対象に、ベースライン時の身体活動量とその後の糖尿病網膜症の新規発症との関連を前向きに検討するコホート研究を行った。

対象患者は、天理よろづ相談所病院(奈良県)の内分泌内科に通院する糖尿病患者を対象とした大規模レジストリー(Diabetes Distress and Care Registry at Tenri;DDCRT)から抽出した調査開始時点に網膜症を有さない2型糖尿病患者1,814人。平均年齢は65.5歳、平均BMIは24.5、HbA1c平均値は7.2%であった。身体活動量は国際標準化身体活動質問票(IPAQ)を用いて調査し、対象患者をMET-hours/週で評価した身体活動レベルで第1~第5群に分類し(MET-hours/週の中央値はそれぞれ0、4.8、13.2、26.4、77)、2年間追跡した。

その結果、追跡期間中に184人(10.1%)が新たに糖尿病網膜症を発症した。新たに糖尿病網膜症を発症した患者では、発症しなかった患者に比べて2型糖尿病の罹病期間が有意に長く(14.7年対11.0年、P<0.0001)、収縮期血圧値が高く(139.2mmHg対135.1mmHg、P=0.0012)、推算糸球体濾過量(eGFR)が低く(74.0mL/分/1.73m2対77.1mL/分/1.73m2、P=0.0382)、尿中アルブミン/クレアチニン比が大きく(4.00mg/mmoL対2.45mg/mmoL、P<0.0039)、HbA1c値が高かった(7.5%対7.2%、P=0.0006)。

また、運動習慣と糖尿病網膜症の新規発症との関連を、運動習慣がない群(第1群)と比較したCox比例ハザードモデルを用いて解析したところ、多変量調整モデルにおいて第2~第5群のハザード比はそれぞれ0.87(95%信頼区間0.53~1.40、P=0.557)、0.83(同0.52~1.31、P=0.421)、0.58(同0.35~0.94、P=0.027)、0.63(同0.42~0.94、P=0.025)と第4群および第5群で有意な低下が認められた。(HealthDay News 2017年3月21日)

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