4HDN国内ニュース3月21日配信2
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ビールの苦み成分がアルツハイマー病の予防に有効 ――Aβ脳内沈着を抑制し、認知機能改善に働く

ホップ由来のビール苦み成分「イソα酸」がアルツハイマー病の予防に有効である可能性が、マウスを用いた実験で判明した。イソα酸はアルツハイマー病の原因物質であるAβの脳内沈着を抑制し、認知機能の改善に働く可能性があるという。東京大学大学院農学生命科学研究科の中山裕之氏らの研究グループが学習院大学、キリン株式会社との共同研究で明らかにしたもので、詳細は「Journal of Biological Chemistry」3月3日号に掲載された。

超高齢社会となった日本では認知症対策は喫緊の課題であるが、根本的な治療法はいまだ確立されていない。そこで、日常生活でできる認知症予防への取り組みが注目されている。その1つとして赤ワインに含まれるポリフェノールの摂取が認知症予防に効果がある可能性が報告されているが、ビールの成分については十分に検討されていなかった。そこで、研究グループは古来より薬用植物として利用されてきたポップ由来のビール苦み成分である「イソα酸」に着目し、アルツハイマー病モデルとして用いられている遺伝子改変マウスを使って実験を行った。

研究グループは、イソα酸がマウスの初代培養ミクログリア(脳内の免疫を担う細胞の一種)のAβ貪食能を亢進し、炎症性サイトカインの産生を抑制する作用をもつことを見いだした。次に、通常マウスにイソα酸を含有する食餌を3日間摂取させたところ、脳内ミクログリアの貪食活性が亢進して抗炎症型へと変化したことから、脳の炎症が抑制されることも明らかにされた。

さらに、アルツハイマー病モデルマウスにイソα酸を含有する食餌を3カ月間摂取させたところ、対照マウスに比べて脳内ミクログリアの機能が活性化し、脳内に生じるAβなどの老廃物の沈着や炎症を抑制することがわかった。また、イソα酸の摂取により海馬における神経細胞のシナプス量が有意に増加し、記憶学習機能が改善することも判明した。

研究グループは、適量のビールやノンアルコールのビールテイスト飲料の摂取が認知症予防につながる可能性があるとしている。(HealthDay News 2017年3月21日)

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