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生活習慣改善+薬物治療の強化介入で2型糖尿病が寛解する可能性

経口血糖降下薬とインスリン治療、食事療法、運動療法を併用する強化療法により、2型糖尿病患者の一部は数カ月間ではあるが寛解に至る可能性があることが、小規模な予備研究で示された。この研究によると、こうした強化療法により2型糖尿病患者の約4割で3カ月間、完全寛解または部分寛解が得られたという。

「生活習慣の改善と薬物治療を組み合わせた強化療法により糖尿病を克服できる可能性がある。この知見は、患者が減量や血糖コントロールに最善を尽くそうと意欲を高める契機になるだろう」と研究を主導したマックマスター大学(カナダ)内分泌代謝内科助教授のNatalia McInnes氏は述べている。

ただし、今回の研究では、治療開始から1年後も寛解を維持した患者はごく一部にすぎなかった。「治療開始52週時点における糖尿病寛解率は、強化療法による介入群と対照群の間で有意な差は認められなかった」と、米国立糖尿病・消化器病・腎臓病研究所(NIDDK)のChristine Lee氏(本研究には参加していない)は述べている。

今回の研究は、新たに2型糖尿病を発症した30~80歳の成人患者83人を対象に、8週間または16週間の強化療法を受ける介入群あるいは標準治療を受ける対照群の3群にランダムに割り付けて比較検討した。対象患者の糖尿病罹病期間は最長で3年間であり、食事療法単独または1~2剤の薬物療法を受けていた。なお、インスリン治療を既に受けている患者は対象から除外した。

また、強化療法群の薬物療法では、糖尿病の発症予防や進行抑制に有効とするエビデンスに基づいてビグアナイド薬のメトホルミンおよびα-グルコシダーゼ阻害薬のアカルボース持効型溶解インスリンアナログ製剤のインスリングラルギンを併用した。強化療法群ではこれまでの糖尿病治療薬の服用を中止し、新しいレジメンに移行した。

さらに、強化療法群では栄養士による食事指導を行い、カロリーを1日で500~700kcal減らすように勧めた。また、運動療法士が週150分の中強度運動を目標とする運動プログラムを個別に作成して指導したほか、対象患者には歩数計を携帯させて1日1万歩を目指すように勧めた。一方で、対照群の患者には標準的な血糖管理に関するアドバイスを行った。

その結果、治療終了から12週の時点で完全寛解(HbA1c値が6.0%未満と定義)または部分寛解(同6.5%未満)に至った患者の割合は、16週間の強化療法群では40.7%(27人中11人)、8週間の強化療法群では21.4%(28人中6人)であり、対照群では14.3%(28人中4人)であった。

Lee氏は「糖尿病が寛解に至った要因が薬物療法にあるのか、食事療法や運動療法による減量にあるのかは明らかではない」と指摘している。

今回の研究では医療コストについては検討されていないが、「糖尿病が寛解に至れば治療や合併症の管理に関わる費用が抑えられるため、長期的にはコストの削減につながるだろう」とMcInnes氏は推測している。同氏は、こうした強化療法を行うことで糖尿病の寛解がより長期かつ高い確率で達成できるかどうかを調べる研究を行う必要があると付け加えている。

この研究は、「Journal of Clinical Endocrinology & Metabolism」オンライン版に3月15日掲載された。(HealthDay News 2017年3月15日)

https://consumer.healthday.com/diabetes-information-10/type-ii-diabetes-news-183/intensive-treatment-shows-potential-against-type-2-diabetes-720695.html

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