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「世界一健康な心臓」をもつ部族の生活習慣

アマゾンで原始的な生活を送る部族が、世界で最も健康な心臓をもっているようだという研究結果が新たに報告された。研究著者である米ロングビーチ・メモリアル病院、メモリアルケア心臓血管研究所(カリフォルニア州)のGregory Thomas氏によると、農業と狩猟採集により生活するボリビアのチマネ族は、動脈硬化の割合が米国成人の5分の1で、身体の生理的年齢は20歳。心拍数、血圧値、コレステロール値、血糖値も他の地域に比べて低いという。

Thomas氏らはこれまでの研究で、3,500年前のミイラにも動脈硬化の徴候があったことを明らかにしている。米ニューメキシコ大学教授のHillard Kaplan氏の率いる人類学研究チームから、チマネ族には心疾患がほとんどみられないと聞いたThomas氏らは、今回その見解を裏づけるべく、チマネ族700人以上を舟とジープでCT検査のできる都市まで運び、動脈プラークのカルシウム沈着を測定した。

検査の結果、チマネ族の85%には動脈プラークがなく、心疾患リスクが全くみられないことが判明した。13%は低リスクで、3%が中リスク~高リスクであった。米国立衛生研究所(NIH)の支援による最近の研究によれば、米国人では心疾患リスクが全くない人は14%にとどまり、50%が中リスク~高リスクであるという。

チマネ族の健康の秘密は、その生活様式にあるようだとThomas氏は指摘する。狩りや漁をする男性は1日の身体活動が6~7時間、平均歩数が1万7,000歩であり、農業と子育てをしている女性は身体活動が4~6時間、平均歩数が1万6,000歩になる。食事の4分の3は、米やプランタン(バナナの一種)、トウモロコシ、ナッツ、果物などの未加工の炭水化物で、蛋白源は脂肪の少ない野生動物の肉や魚。タバコはほとんど吸わないという。

この結果から、都市化が動脈硬化の危険因子であることが示唆される。また、チマネ族は寄生虫の影響で身体が炎症状態にあるにもかかわらず、動脈への影響はみられないことから、炎症が動脈硬化の原因であるとする仮説にも疑問が生じると、Thomas氏は述べている。

米ペンシルベニア大学医学部、予防心臓病学・脂質管理センター(フィラデルフィア)のDouglas Jacoby氏は、「チマネ族を見習うなら、米国の運動ガイドラインはゴールではなくスタート地点に過ぎないと考えるべきである。ただし、今回の研究では、チマネ族の健康の理由について、遺伝の可能性が軽視されている」との考えを示している。

この研究は「The Lancet」オンライン版に3月17日掲載された。(HealthDay News 2017年3月17日)

https://consumer.healthday.com/circulatory-system-information-7/coronary-and-artery-news-356/remote-amazon-tribe-may-have-healthiest-hearts-on-earth-720761.html

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