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妊娠中のDHAサプリ、児の知能に効果なし

妊娠中にDHA(ドコサヘキサエン酸)のサプリメントを摂取しても、子どもが賢い子に育つわけではないことが、7年間の追跡調査で示された。DHAはサケ、マグロ、マスなどの脂肪の多い魚に含まれるオメガ3脂肪酸で、脳の発達や機能に重要な栄養素だとされる。

研究の筆頭著者である南オーストラリア健康医療研究所(SAHMRI、ノースアデレード)博士研究員のJacqueline Gould氏は、「主要評価項目である小児の知能やIQに対する魚油の影響は認められなかった」と強調している。7歳時点の検討で、小児の言語発達、学力、実行機能(計画・注意・問題解決・意思決定などに関わる認知機能)にはDHA摂取群とプラセボ群との間で差はみられなかったという。

米カンザス大学医療センター栄養学教授のSusan Carlson氏は、今回の研究報告について、「DHAを既に十分に摂取している人では、妊娠中に摂取量を増やしてもベネフィットが得られるとは限らない。ただし、最近ではDHA摂取がIQ以外にも良い影響を及ぼす可能性が示唆されている」と指摘する。たとえば、同氏は過去の研究で、妊娠中のDHA補充により早産が大幅に減少することを明らかにしている。また、オランダの研究では、子どもの喘息リスクが30%低減するとも報告されている。

同氏らは、妊婦をDHA 800mg/日またはプラセボのいずれかを妊娠期間の後半に服用する2群に無作為に割り付け、7年間にわたり追跡してきた。生後18カ月時点では、児の認知・言語・運動機能の発達に両群間で差はみられなかった。4歳時点でも、DHAサプリメントによる認知・言語・実行機能へのベネフィットは認められず、行動および実行機能については悪影響を及ぼしている可能性も示唆されていた。

7歳時点まで追跡できた540人強の児では、DHA群とプラセボ群との間でIQの平均値に差はみられなかった。しかし、親の報告に基づいて評価した行動および実行機能の問題はDHA群のほうがやや悪かった。

Gould氏は、「今回の知見でみられた悪影響はDHAサプリメントが原因なのではなく、偶然の可能性もある」と指摘しつつ、「ビタミンやミネラルのなかには妊娠中に摂取すると子どもの脳の発達に有益だと考えられているものもあるが、いずれも科学的な裏づけはない」と話している。

一方、サプリメントの業界団体である米国栄養評議会(CRN)のDuffy MacKay氏はこの結果に異議を唱え、「たとえば、この研究で対象とされた妊娠中・授乳中の母親や子どもたちがどのような栄養状態であったのかは不明である。また、プラセボ群におけるオメガ3脂肪酸の摂取量に関する情報がなく、知能や学力に影響しうる因子である家庭の所得や学歴についても考慮していない」と指摘している。

この研究は「Journal of the American Medical Association(JAMA)」3月21日号に掲載された。(HealthDay News 2017年3月21日)

https://consumer.healthday.com/vitamins-and-nutrition-information-27/nutritional-supplements-health-news-504/no-evidence-fish-oil-in-pregnancy-makes-for-brainier-kids-720836.html

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