1-1 HDN4月6日「今日のニュース」No.2
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電磁場への職業的曝露でALSリスクが上昇か

職業上、高レベルの電磁場に曝露されやすい人では、筋萎縮性側索硬化症(ALS)の発症リスクが倍増する可能性があることが新たな研究で示された。研究上席著者であるユトレヒト大学(オランダ)環境疫学准教授のRoel Vermeulen氏によると、電気会社の架線作業員、溶接工、ミシンオペレータ、航空機のパイロットなど、多くの電気機器のそばで作業をする職業の人が該当するという。

しかし、ALSの発症率は10万人に1人とまれで、2倍になったとしても依然としてリスクは低いと、米カリフォルニア大学サンフランシスコ医療センターのALSセンター長、Catherine Lomen-Hoerth氏はコメントしている(同氏は今回の研究には参加していない)。なお、今回の研究は介入試験や比較対照試験ではないため、直接的な因果関係を明らかにするものではない。

ALSになると脳や脊髄の運動神経細胞に進行性の変性が起こり、次第に歩行や会話、呼吸が困難になる。これまでの研究では、電磁場や電気ショック、溶剤、金属、殺虫剤などに曝露される労働環境とALSとの関連が示されている。

今回の研究では、オランダの全国的な健康調査に参加した男性5万8,000人、女性6万3,000人のデータから、ALSで死亡した男性76人、女性60人を特定し、無作為に選んだ約4,000人と比較。対象者の詳細な職歴を用いて、特定の仕事に従事することとALSリスク上昇との関連を検討した。

その結果、高レベルの極低周波電磁場に曝露される職業についていた人は、曝露された経験が全くない人に比べて、ALS発症リスクが2倍以上であった。累積曝露量が最も高い群(高いレベルで長期間曝露された人)では、ALS発症リスクがほぼ2倍であった。

なお、電磁調理器、ドライヤー、電動工具など、一部の家庭用電化製品も高レベルの極低周波電磁場を発生するが、こうした製品は短時間しか使用しないため心配はないという。

一方で、その他の職業因子はALS発症リスクとの関連は弱く、明確なエビデンスは認められなかった。しかし、Lomen-Hoerth氏は「この研究では解析対象としたALS患者数が少なかったため、他の因子を軽視するのは早計である。また、ALSリスク因子の1つである職業上の外傷を評価していないのも残念な点だ」と指摘している。

Vermeulen氏によると、ALS発症リスクの61%は遺伝要因であり、今回の研究は、いまだ明らかにされていない残り39%の環境要因に電磁場が寄与している可能性を示すものだという。Lomen-Hoerth氏は、電磁場が神経細胞にどのように影響を及ぼすのかは不明であるため、次は基礎研究で検討する必要があると述べている。

この研究は「Occupational & Environmental Medicine」オンライン版に3月29日掲載された。(HealthDay News 2017年3月29日)

https://consumer.healthday.com/cognitive-health-information-26/lou-gehrig-s-disease-als-news-1/could-electromagnetic-fields-raise-a-worker-s-als-risk-721118.html

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