2HDN糖尿病ニュース4月20日配信1
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糖尿病は依然として世界的な脅威 「N Engl J Med」に2報の研究論文

「New England Journal of Medicine」4月13日号には糖尿病に関する研究論文が2報掲載された。米国では2002~2012年に小児の1型糖尿病、2型糖尿病の発症率はともに増加傾向にあることが報告された一方で、スウェーデンの研究では、1998~2014年に成人の1型糖尿病患者および2型糖尿病患者の心血管疾患の発症率と死亡率は低下していることが報告された。しかし、これらの結果を総合しても糖尿病は依然として世界的に大きな脅威であるとしている。

米国糖尿病協会(ADA)のWilliam Cefalu氏によると、これらの研究はいずれも糖尿病患者数の増加への懸念が背景にあり、米国では23秒ごとに1人が糖尿病と診断されているという。また、スウェーデンの研究結果を踏まえた上で、同氏は、糖尿病に関する研究が進み、世界中で多くの患者の命が救われているとしつつも、いまだに糖尿病患者は増加傾向にあることから「われわれが対処すべき課題は多い」と述べている。

米ノースカロライナ大学(チャペルヒル)栄養医学教授のElizabeth Mayer-Davis氏らが行った研究では、米国の小児における1型糖尿病および2型糖尿病の発症率の推移を調べた。

その結果、年齢や性、人種差を補正した解析により、2002~2012年にかけて1型糖尿病の発症率は毎年1.8%増加していることが分かった。年間増加率は白人(1.2%)に比べてヒスパニック系(4.2%)で有意に高かった。しかし、同氏によるとこの増加の理由は明らかにされていない。

また、2型糖尿病に関しても同様に、年齢や性、人種差を補正した解析により、2002~2012年にかけて発症率は毎年4.8%増加していることが明らかにされた。年間増加率は白人(0.6%)に比べて黒人(6.3%)やアジア系・太平洋諸島地域の小児(8.5%)、アメリカ先住民(9%)で高いことも分かった。同氏は、2型糖尿病の発症率の増加には過体重や肥満の増加が一因に挙げられるとしている。

一方のヨーテボリ大学医学研究所(スウェーデン)のAidin Rawshani氏らが行った研究では、Swedish National Diabetes Registerに1998~2012年に登録されて2014年まで追跡された1型糖尿病患者約3万7,000人、2型糖尿病患者45万7,000人強と、年齢、性別、在住県を一致させた一般住民(対照群)を対象に、死亡率や心血管イベントの発生率を比較した。

その結果、1型糖尿病患者群と2型糖尿病患者群では心血管疾患の発症率が大きく低下し、その低下率は対照群に比べてそれぞれ40%、20%大きいことが分かった。追跡期間中の死亡率にもいずれの糖尿病患者群で低下がみられたが、その低下率は1型糖尿病患者群と対照群の間では差はみられなかったが、2型糖尿病患者群では対照群に比べて小さかった。

しかし、同氏らは糖尿病患者群における死亡率や心血管疾患の発症率は、対照群に比べて依然として高いとしている。同氏は「死亡率や心血管イベントの発生率に改善がみられたのは糖尿病患者の診療の質、特に心血管疾患リスク因子の管理が向上したことの現れだ」と述べている。なお、リスク因子には高血圧、脂質異常、腎機能の低下、血糖コントロール不良などが挙げられ、同氏は特に降圧薬と脂質低下薬による治療がこうした改善に寄与した可能性があると指摘している。(HealthDay News 2017年4月12日)

https://consumer.healthday.com/diabetes-information-10/misc-diabetes-news-181/diabetes-continues-its-relentless-rise-721561.html

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