入院している小児が不安になってナースコールを鳴らしても、看護師が即座に駆けつけられるとは限らないが、その理由を調べた新たな研究結果が報告された。この研究によると、看護師は緊急のアラームにはすぐに対応していることが分かった。さまざまな要因により対応が遅くなることはあるが、この遅れによって患者に危険が及ぶことはなく、重大なアラームは0.5%未満であったという。研究の筆頭著者で米フィラデルフィア小児病院小児科助教授のChristopher Bonafide氏によると、看護師はどのアラームが重要であるかを直感で正確に判断していたという。米国では誤ったアラームが多過ぎることによる「アラーム疲労」が問題となっている。アラーム音は心拍数の上昇、血中酸素濃度の低下、危険な心拍パターンなどを知らせるものだが、乳児の動きにより誤作動を起こすこともある。.今回の研究では、同病院で2014~2015年に100人の小児患者を担当した看護師38人の動画を分析した。1万1,745回のアラームのうち、ほぼ全てが妥当なものであり、50件は見逃してはならない重大なものと判定された。看護師は重大なアラームには平均して1分ほどで対応していたが、半数のアラームには対応までに10.4分以上かかった。.経験1年未満の看護師は、1年以上の看護師よりも対応が速かった。担当する患者が1人の場合は複数の場合よりも対応が速かった。また、勤務時間が1時間経過するごとに対応はわずかに遅くなっていった。このほか、患者に家族が付き添っていない場合は、付き添いがいるときよりも対応が速かった(それぞれ中央値は6分、12分)。病状が複雑な患者や、以前にも措置を要するアラームが生じたことのある患者でも対応が速かった。.米イェール大学看護学教授のMarjorie Funk氏は今回の研究を賞賛し、「ただし、親は子どものベッドから離れることについてさほど心配する必要はない。深刻な問題が起きた場合は異なるアラーム音が鳴り、看護師は直ちに対応する。それ以外のアラーム音の場合は、別の患者への対応を終えてから対応したり、同僚に対応を依頼したりすることができる」と説明している。.Bonafide氏は、さまざまなアラームへの対応時間に関するガイドラインはないが、システムの安全性と性能を向上させるためにすべきことは多数あると指摘する。また、Bonafide氏とFunk氏は、子どもが入院する親に対しては、「継続的なモニタリングが必要な理由や、どのような問題が起こりうるのか、アラームが鳴ったらどうすればよいのかなどを医師に質問してもよい」と助言している。.この研究結果は「JAMA Pediatrics」オンライン版に4月10日掲載された。(HealthDay News 2017年4月11日).https://consumer.healthday.com/caregiving-information-6/hospital-news-393/nurse-what-s-taking-so-long-721515.html.Copyright (c) 2017 HealthDay. All rights reserved.
入院している小児が不安になってナースコールを鳴らしても、看護師が即座に駆けつけられるとは限らないが、その理由を調べた新たな研究結果が報告された。この研究によると、看護師は緊急のアラームにはすぐに対応していることが分かった。さまざまな要因により対応が遅くなることはあるが、この遅れによって患者に危険が及ぶことはなく、重大なアラームは0.5%未満であったという。研究の筆頭著者で米フィラデルフィア小児病院小児科助教授のChristopher Bonafide氏によると、看護師はどのアラームが重要であるかを直感で正確に判断していたという。米国では誤ったアラームが多過ぎることによる「アラーム疲労」が問題となっている。アラーム音は心拍数の上昇、血中酸素濃度の低下、危険な心拍パターンなどを知らせるものだが、乳児の動きにより誤作動を起こすこともある。.今回の研究では、同病院で2014~2015年に100人の小児患者を担当した看護師38人の動画を分析した。1万1,745回のアラームのうち、ほぼ全てが妥当なものであり、50件は見逃してはならない重大なものと判定された。看護師は重大なアラームには平均して1分ほどで対応していたが、半数のアラームには対応までに10.4分以上かかった。.経験1年未満の看護師は、1年以上の看護師よりも対応が速かった。担当する患者が1人の場合は複数の場合よりも対応が速かった。また、勤務時間が1時間経過するごとに対応はわずかに遅くなっていった。このほか、患者に家族が付き添っていない場合は、付き添いがいるときよりも対応が速かった(それぞれ中央値は6分、12分)。病状が複雑な患者や、以前にも措置を要するアラームが生じたことのある患者でも対応が速かった。.米イェール大学看護学教授のMarjorie Funk氏は今回の研究を賞賛し、「ただし、親は子どものベッドから離れることについてさほど心配する必要はない。深刻な問題が起きた場合は異なるアラーム音が鳴り、看護師は直ちに対応する。それ以外のアラーム音の場合は、別の患者への対応を終えてから対応したり、同僚に対応を依頼したりすることができる」と説明している。.Bonafide氏は、さまざまなアラームへの対応時間に関するガイドラインはないが、システムの安全性と性能を向上させるためにすべきことは多数あると指摘する。また、Bonafide氏とFunk氏は、子どもが入院する親に対しては、「継続的なモニタリングが必要な理由や、どのような問題が起こりうるのか、アラームが鳴ったらどうすればよいのかなどを医師に質問してもよい」と助言している。.この研究結果は「JAMA Pediatrics」オンライン版に4月10日掲載された。(HealthDay News 2017年4月11日).https://consumer.healthday.com/caregiving-information-6/hospital-news-393/nurse-what-s-taking-so-long-721515.html.Copyright (c) 2017 HealthDay. All rights reserved.