2HDN糖尿病ニュース4月27日配信1
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1型糖尿病患者が安全に運転するための注意点とは? 運転前の確認と低血糖への対応策が重要

1型糖尿病患者が運転する際には、運転中の低血糖発作で事故を起こす可能性が懸念されるが、米バージニア大学医学部教授のDaniel Cox氏らが作成した質問票を活用することで、事故につながる運転ミスを起こしやすい患者を特定できることが、新しい研究で報告された。詳細は「Diabetes Care」オンライン版に4月12日掲載された。

糖尿病患者では、インスリン治療や血糖降下薬の影響で血糖値が下がり過ぎて低血糖を起こし、意識消失やけいれんを起こす可能性がある。同氏は「糖尿病患者は、糖尿病が心疾患やナルコレプシーなどと同様に運転に支障を来す疾患であることを認識すべきだ。パイロットがフライト前にチェックリストを用いて自身の健康状態を確認するように、1型糖尿病患者も運転前には運転できる状態であるかを確認する必要がある」と説明している。

同氏によると、糖尿病患者の中でも運転中に重症低血糖を起こしたことがある患者や低血糖リスクが高い患者、運転する機会が多い患者、糖尿病神経障害により下肢の感覚が鈍っている患者では、運転中にトラブルを起こすリスクが平均よりも高まるという。しかし、運転中の事故リスクが高い患者を区別する標準的な検査法は今のところ存在しない。

そこで、同氏らは11の質問項目から成る「糖尿病を持つドライバーのリスク評価(Risk Assessment of Diabetic Drivers;RADD)」と名付けた質問票を作成し、事故リスクの高い患者を事前に特定できるか否かを調べた。

まず、米国の3地域(ボストン、バージニア州中央部、ミニアポリス)の1型糖尿病患者1,371人を対象に、RADD質問票に回答してもらい、その後12カ月間の運転中の事故や事故につながりかねない危険な運転ミスの有無を調べた。その結果、このRADD質問票によって事故を起こすリスクが高い人では60%、リスクが低い人では75%を事前に特定できることが分かった。

次に、全米の1型糖尿病患者1,737人を対象にオンライン上で回答したRADD質問票スコアから事故リスクが高いと判定された372人の半数と低リスクと判定された118人には通常ケアを、高リスク者の残りの半数にはインターネットサイト「DiabetesDriving.com」によるオンライン上での介入を2カ月間行い、その後12カ月間の事故記録を調べた。

この介入は低血糖を予防し、検出して治療するもので、対象者に提供した低血糖を管理するためのツールキット一式には、血糖測定器、運転前のチェックリスト、血糖値が下がった場合の注意事項を記したキーホルダー、ブドウ糖の錠剤やゼリーといった即効性のあるブドウ糖製品が含まれていた。この結果、こうしたオンライン上の介入は1型糖尿病患者が運転中の低血糖を回避するのに有効であることが分かった。

同氏は「1型糖尿病患者の多くは低血糖への正しい対処法を知らず、脂肪やたんぱく質が多い食品を摂りがちだが、それでは血糖値はすぐには上がらない」と指摘し、車内には血糖値を上げるのに即効性がある炭水化物を常備するよう勧めている。

米モンテフィオーレ医療センター(ニューヨーク市)臨床糖尿病センター長のJoel Zonszein氏は、糖尿病患者の運転の安全性を判断するには、オンラインテストなどで患者が自己判断するよりも医師や専門家が検査する方がよいと指摘している。別の専門家も、インターネット上での匿名性という利点はあるが、医師がテスト結果を閲覧できるようにすることが重要だとしている。(HealthDay News 2017年4月20日)

https://consumer.healthday.com/diabetes-information-10/type-i-diabetes-news-182/when-is-it-safe-to-drive-with-type-1-diabetes-721782.html

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