Patient in a coma undergoing medical procedure
image_print
医療・健康ニュース/今日のニュース/

昏睡の治療では「体内時計」が手がかりになる

重度の脳損傷患者では、いわゆる「体内時計」を調整することが昏睡状態から意識を取り戻すのに有効である可能性があると、新たな研究で報告された。体内時計とは、身体にもとから備わっている睡眠、覚醒、食事の時間を知らせる周期のことで、概日リズムとも呼ばれる。

今回の予備的研究では、重度の脳損傷患者18人を対象として1週間にわたり体温を測定し、それぞれの患者の概日リズムの長さを算出した。その結果、患者の概日リズムには23.5~26.3時間と幅があることが分かった。研究著者らによると、体温は日光や暗闇などの環境的要因に基づいて1日を通して変動するという。

さらに、音に対する反応や、刺激の有無で目を開ける能力などを評価することにより、患者の意識レベルも測定した。その結果、意識レベルの高い患者ほど、24時間周期に沿った健康的な体温変動パターンを示すことがわかった。

研究を実施したザルツブルク大学(オーストリア)のChristine Blume氏は、「重度の脳損傷患者では、体温変動パターンが健康な人の概日リズムに近い人ほど、昏睡からの回復度のスコアが良好であると、今回の研究から示唆された。特に覚醒に関する項目ではこの関連が顕著であった」と述べている。

この研究は「Neurology」オンライン版に4月19日掲載された。

同氏は、「医師がこうした患者を診るときは日内変動を念頭に置くべきであり、1日のどの時間帯に検査を実施するかが重要となる。また、患者の睡眠-覚醒サイクルを正常にするために、昼夜の自然な明るさの変化にあわせて環境を調整するべきである。それにより、重度の脳損傷患者の意識を回復できる可能性が期待される」と付け加えている。

今回の研究の被験者は、いずれも無反応覚醒症候群または最小意識状態であった。無反応覚醒症候群は、いわゆる「植物状態」であり、患者は昏睡から覚醒し、目を開けることができ、睡眠もみられるが、反応はない状態を指す。一方、最小意識状態(minimally conscious state)は、患者が意識の徴候を示す状態である。(HealthDay News 2017年4月19日)

https://consumer.healthday.com/cognitive-health-information-26/traumatic-brain-injury-1002/body-temperature-might-give-clues-to-coma-721744.html

Copyright (c) 2017 HealthDay. All rights reserved.

RELATED ARTICLES