Illustration of Human Internal Kidney Anatomy
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2型糖尿病患者では試験紙法による尿潜血陽性と腎機能低下が強く関連する ――日本人患者コホートで解析

日本人2型糖尿病患者では、試験紙法による尿潜血陽性反応は腎機能低下と強く関連することが、奈良県立医科大学糖尿病学講座の増谷 剛氏らの検討で分かった。同氏らは、顕微鏡的血尿は進行した糖尿病腎症の存在を示唆する指標であるだけでなく、急速に腎機能が低下する患者に特徴的な1つの因子である可能性があり、「顕微鏡的血尿が確認された2型糖尿病患者に対して、さらなる積極的な管理で末期腎不全への進行を遅延させることができるかもしれない」と述べている。詳細は「Journal of Diabetes and its Complications」オンライン版に4月18日掲載された。

近年、顕微鏡的血尿と慢性腎臓病(CKD)との関連性を示唆する研究報告がなされているが、2型糖尿病患者においてはこれらの関連は明らかにされていない。同氏らは、Diabetes Distress and Care Registry at Tenri(DDCRT 14)による縦断コホートのデータを用いて、試験紙法による尿潜血陽性反応と推算糸球体濾過量(eGFR)の低下(2年間で40%以上の低下)との関連を検討した。

対象は、2009~2011年に天理よろづ相談所病院(奈良県)に通院中の2型糖尿病患者のうち、2011年の第2回調査に参加した3,068人(平均年齢は65.9歳)。eGFR値が15mL/分/1.73m2以下の腎機能が高度に低下した患者は対象から除いた。

中央値で699.7日の追跡の結果、尿潜血陽性反応とeGFR値の低下は有意に関連し(P<0.001)、年齢や性、BMIなどの因子を調整した解析でもこれらの関連は有意であることが分かった。多変量調整後の解析で、尿潜血が陰性だった患者に比べて陽性だった患者ではeGFR値が低下するリスクは2.19倍であった。

また、男性では複数因子を調整した解析でも尿潜血陽性反応とeGFR値の低下は有意に関連したが、女性では有意な関連はみられなかった。さらに、対象患者をアルブミン尿の病期で層別化して解析したところ、顕性アルブミン尿(macroalbuminuria)を呈する患者でのみ尿潜血陽性反応とeGFR値は有意に関連することも分かった。(HealthDay News 2017年5月8日)

Abstract
http://www.jdcjournal.com/article/S1056-8727(17)30193-9/abstract

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