2HDN糖尿病ニュース5月11日配信2
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赤ワインの抗酸化物質が2型糖尿病の動脈壁硬化を改善する可能性

赤ワインやピーナッツ、ベリー類には抗酸化物質のレスベラトロールが含まれるが、このレスベラトロールのサプリメントを摂取すると2型糖尿病患者では動脈壁の硬化が改善される可能性のあることが、新たな小規模研究で明らかにされた。

研究を行った米ボストン大学医学部のNaomi Hamburg氏は「今回の研究から、2型糖尿病患者ではレスベラトロールを摂取すると大動脈の動脈スティフネスに改善傾向がみられ、特に動脈壁の硬化が進んだ患者でより有益性が高いことが分かった」と述べている。

加齢によって進む動脈硬化は心筋梗塞や脳卒中の重要なリスク因子である。肥満を伴う2型糖尿病患者では、発症後早期から動脈硬化が進みやすく、脳心血管イベントの発症につながりやすい。しかし、同氏は、これらの予防を目的にレスベラトロールの摂取を推奨するのは時期尚早であり、今後、長期的な研究で検討する必要があるとしている。

今回の研究では、肥満を伴う2型糖尿病患者57人(平均年齢56歳、52%が女性)を対象に、レスベラトロールサプリメントを摂取する群(100mg/日を2週間服用後、300mg/日を2週間服用)とプラセボを4週間摂取する群にランダムに割り付けて、頸動脈-大腿動脈脈波伝播速度(carotid-femoral pulse wave velocity;cfPWV)による動脈壁硬化度を測定した。

その結果、全ての対象患者の解析によりレスベラトロール摂取群では大動脈の動脈スティフネスに改善傾向が認められたが、プラセボ群との間には改善率に統計学的な有意差は認められなかった。

しかし、研究開始時点で動脈硬化が進んでいた患者23人に絞った解析では、レスベラトロール100mg/日を摂取した最初の2週間で動脈スティフネスは4.8%低下し、その後の300mg/日を摂取した2週間では9.1%低下したことが分かった。一方で、プラセボ摂取群では大動脈の動脈スティフネスは増大していた。

レスベラトロールの摂取は長寿遺伝子として知られるSIRT1を活性化させることが基礎研究で示されている。そこで、同氏らは対象患者のうち7人の2型糖尿病患者から血管内皮細胞の試料を採取してSIRT1遺伝子の活性を調べたところ、レスベラトロールのサプリメントを摂取後ではわずかにSIRT1の活性が上昇することが分かった。

研究者らは、レスベラトロールを摂取するとヒトでも長寿遺伝子が活性化し、これが動脈硬化の改善につながっている可能性があるとしつつも、小規模かつ短期間の研究に過ぎず、結論づけることはできないとしている。

しかし、米カリフォルニア大学サンフランシスコ校(UCSF)教授のByron Lee氏は「この研究は、自然の食べ物に含まれる抗酸化物質が加齢に伴う現象を逆行させ得ることを示しており、特に数週間の摂取で効果がみられたのは印象深い」と評価している。

なお、Hamburg氏によると、この研究で用いられた1日のレスベラトロール摂取量はグラス1杯の赤ワインに含まれる量よりもはるかに多いという。

この研究は、米国立心肺血液研究所(NHLBI)および米国立補完統合衛生センター(NCCIH)の資金援助を受けて実施され、米ミネアポリスで5月4~6日に開催された米国心臓協会(AHA)のArteriosclerosis, Thrombosis and Vascular Biology/Peripheral Vascular Disease(ATVB/PVD 2017)学術集会で発表された。なお、学会で発表された知見は査読を受けた専門誌に掲載されるまでは予備的なものとみなされる。(HealthDay News 2017年5月4日)

https://consumer.healthday.com/vitamins-and-nutrition-information-27/antioxidants-news-32/red-wine-antioxidant-might-help-diabetics-arteries-722362.html

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