2HDN糖尿病ニュース5月18日配信2

男性より女性が減量に励む理由 脳内活性の性差が要因か

脳MRI検査を用いた最近の研究で、食べ物への脳内の反応が低い人は食べ過ぎる傾向が強く、肥満リスクが高まる可能性のあることが示された。この研究では摂食行動のプロセスに影響を及ぼす脳内活性には性差があることも明らかにされた。女性の脳では摂食行動に対して感情的な反応が高まるのに対して、男性の脳では食べることで得られる満足感に焦点が当てられるという。

研究著者の米カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)助教授のArpana Gupta氏は「この知見は、なぜ女性は男性よりも減量に悩むことが多いのかを説明するものだ」と述べている。

今回の研究は、肥満の病態に脳がどういった役割を担っているかを探るため、年齢をマッチさせた健康な女性43人と男性43人(平均年齢はそれぞれ31.8歳、29.8歳)の合計86人を対象に脳MRI検査を行った。研究グループは、中でも摂食行動が脳内報酬系に強く関与する神経伝達物質ドーパミンの活性パターンにどういった影響を及ぼすのかを調べた。

解析の結果、ドーパミン系の活性がもともと低い人では、男女ともに食べ物への感受性が低下しており、こうした不足分を補うために摂食行動を取りがちになることが分かった。つまり、食べることにあまりこだわらない人の方が最終的には食べる量が多くなる傾向があるとしている。

しかし、同氏によると、今回の知見で特筆すべきなのは、男女では単に摂食行動に対する脳内の反応に差がみられたことだったという。女性の脳では、食べ物に対して感情を司る脳領域の神経活動が活発化するが、肥満の女性ではこうした反応は低下していた。なお、肥満の男性の脳内ではこうした影響はみられなかった。

一方、男性の脳では、食べることは嗅覚や温度感覚、味覚を司る脳領域の活性と関連していた。肥満の男性では、特に感覚制御に関わる脳領域での反応が上昇したが、こうした影響は女性ではみられなかった。男女で摂食行動に対する脳内の反応に差が生じる理由は明らかにされていない。

米テキサス大学サウスウェスタン医療センターのLona Sandon氏は「こうした性差は驚くにはあたらない」と述べている。自身の経験的にも、女性は男性に比べて食物への渇望(food craving)を口にすることが多く、過食などの摂食障害に苦しむことも多いほか、気分を落ち着けるために砂糖や脂肪分の多い食べ物に手を伸ばしてしまいがちだという。

同氏によると、女性が食べ過ぎを防ぐには運動が強く勧められるという。「ドーパミンレベルが低いとうつ病になりやすく、食べる量も多くなりがちになるが、これまでの研究でうつ病患者が運動をすると食欲にも良い影響を与えることが報告されている」と、同氏は指摘している。

Gupta氏らによる研究成果は、米シカゴで5月6~9日に開かれた米国消化器病週間(DDW 2017)で9日に発表された。なお、学会で発表された知見は、査読を受けた専門誌に掲載されるまでは予備的なものとみなされる。(HealthDay News 2017年5月9日)

https://consumer.healthday.com/cognitive-health-information-26/brain-health-news-80/do-you-overeat-your-brain-wiring-may-be-why-722522.html

Copyright © 2017 HealthDay. All rights reserved.