Young adult woman walks up the stairs (in the rain)
image_print
疾患・分野別ニュース/国内ニュース/

坂がより急峻な街で比較的重度の糖尿病リスクが低減する可能性 ――運動量増加が原因か、東京医歯大の研究グループ

坂道がより急峻な環境に住む高齢者では、平坦な地域に比べてコントロール不良な糖尿病になりにくい可能性のあることが、東京医科歯科大学大学院国際健康推進医学分野の藤原武男氏らの研究グループの検討で分かった。住んでいる地域の平均的な傾斜角が1.48度上がるとコントロール不良な糖尿病になるリスクが18%低減した。緩やかな坂や階段を住環境に取り入れることで、住人の運動量が自然と増加し、糖尿病の予防につながる可能性があるという。詳細は「Social Science & Medicine」6月号に掲載された。

研究グループによると、傾斜がより急峻な坂道が多い環境に住む人は、日常的に筋力を使うため糖尿病になりにくい可能性がある一方で、外出や歩行時間が短くなるため逆に糖尿病リスクが高まる可能性も指摘されていた。そこで今回、研究グループは、65歳以上の高齢者14万人以上を対象に調査を行っている日本老年学的評価研究(JAGES)の一環として、地域の平均傾斜角と糖尿病有病率との関連を調べた。

対象は、2010年の調査で健診データを入手し得た、愛知県の6市町村46地域に住む自立した生活を送っている65歳以上の男女8,904人。平均傾斜角は、地理情報システム(GIS)を用いて小学校区別に算出し、健診データから糖尿病の有病率との関連を調べた。なお、平均傾斜角は3.03度であった。

その結果、年齢や性、外出頻度、歩行時間、居住年数など環境的な因子を調整後の解析で、住んでいる地域の平均傾斜角が1.48度上がるとコントロール不良な糖尿病(HbA1c値が脳卒中や心臓病、がんなどの基礎疾患がある場合は7.5%以上、基礎疾患がない場合は8.0%以上と定義)になるリスクが18%低減した(オッズ比0.82、95%信頼区間0.70~0.97)。こうした関連は治療中の糖尿病患者1,007人に絞った解析でも認められた(同0.73、0.59~0.90)。一方で、平均傾斜角が1.48度上がっても、糖尿病全体の有病率には有意な差はみられなかった。(HealthDay News 2017年5月22日)

Abstract
http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0277953617302319

Copyright © 2017 HealthDay. All rights reserved.

No Tags

RELATED ARTICLES