2HDN糖尿病ニュース5月25日配信1
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外気温の上昇で妊娠糖尿病リスクが高まる可能性

外気温が上昇すると妊娠糖尿病の発症リスクが高まる可能性のあることが、カナダで行われた研究で報告された。「CMAJ(Canadian Medical Association Journal)」オンライン版に5月15日掲載された論文によると、妊娠中に気候が温暖だった妊婦に比べて、外気温が-10度と極端に寒い地域で過ごした妊婦では妊娠糖尿病の有病率が低かったという。

研究を主導したセント・マイケルズ病院Li Ka Shing Knowledge研究所(カナダ、トロント)のGillian Booth氏は「気温の変化が妊娠糖尿病リスクに及ぼす影響はごくわずかでも、影響を受ける女性は世界中に多くいることから無視できない問題である可能性がある」と述べている。また、同氏は、地球温暖化で気温が上昇している地域では妊娠糖尿病の増加が懸念されるとも指摘している。

今回の研究は、行政の診療データベースを用いて、2002~2014年の12年間にわたり、オンタリオ州のトロントを中心とした大都市圏に住む約39万人の女性の出産55万5,911件を対象とした。妊娠中期(妊娠24~28週)の妊娠糖尿病スクリーニング実施前の30日間における平均外気温を調べ、妊娠糖尿病の有病率との関連を分析した。

その結果、外気温が平均で-10度以下の地域に住んでいた女性では妊娠糖尿病の有病率は4.6%だったのに対し、平均気温が24度以上だった地域の女性では有病率は7.7%に増加していた。

また、妊娠糖尿病の有病率は、平均気温が10度上昇するごとにわずかに増加(1.06 倍)し、こうした関連は女性が生まれた地域の気候が温暖だったか、寒冷だったかにかかわらず認められた。さらに、平均気温の上昇に伴う妊娠糖尿病の有病率増加は、同じ女性が2回妊娠した場合でも継続して認められたという。

同氏らは、外気温と妊娠糖尿病の関連は「褐色脂肪細胞」で説明できる可能性があるとしている。褐色脂肪細胞はエネルギーを燃焼するため、「極端に寒い環境では褐色脂肪細胞が活性化されることで体重増加を抑えて、血糖値の改善につながる可能性があるのではないか」と、同氏らは説明している。

一方で、これらの関連に懐疑的な見方を示す専門家もいる。米モンテフィオーレ医療センター(ニューヨーク市)臨床糖尿病センター長のJoel Zonszein氏は「この知見は、地球温暖化と世界中で増え続けている糖尿病患者との関連を裏づけるものではなく、決定的と結論づけるには時期尚早だ」と述べている。

また、同氏は、妊娠糖尿病の発症原因には遺伝的素因が特に重要であるが、不健康な食生活や運動不足、ストレス、睡眠不足など多様な環境因子も関与しており、気温はその1つに過ぎないとしている。

しかし、2016年にスウェーデンで行われた研究では、妊娠糖尿病の発症率は冬場よりも夏場に高いことが報告されていることを踏まえ、Booth氏は、無事に出産を迎えるためには妊娠中の食生活や運動に配慮することに加えて、気温の管理も重要になるとし、「冬場には暖房を止めて外出する、夏場にはエアコンを使用することなどが、妊娠糖尿病リスクの低減につながる可能性がある」と述べている。また、同氏は、今回の知見は妊娠糖尿病とリスク因子が重なる2型糖尿病にも通じるものだとしている。(HealthDay News 2017年5月15日)

https://consumer.healthday.com/diabetes-information-10/misc-diabetes-news-181/as-temps-rise-risk-of-pregnancy-complication-may-too-722697.html

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