2HDN糖尿病ニュース6月1日配信2
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睡眠不足でメタボ患者の心臓病や脳卒中死亡リスク高まる

腹部肥満や高血糖、高血圧、脂質異常などのリスク因子を複数持つメタボリック症候群患者では、1晩の睡眠時間が6時間未満と睡眠不足であると心臓病や脳卒中による死亡リスクが倍増する可能性のあることが、新しい研究で示された。

米国では、腹部肥満、脂質異常(中性脂肪値またはHDL-コレステロール値の異常)、高血圧、高血糖のうち3つ以上に該当すると「メタボリック症候群」と診断される(注:日本国内では腹部肥満が必須項目とされる)。

「メタボリック症候群の患者は睡眠不足を解消すると、早期死亡につながる心筋梗塞や脳卒中のリスクを低減できる可能性がある」と、研究を主導した米ペンシルバニア州立大学Milton S. Hershey医療センター・睡眠研究治療センターのJulio Fernandez-Mendoza氏は述べている。

今回の研究は、一般住民から無作為に抽出した成人男女1,344人(平均年齢49歳)を対象に、睡眠検査室で一晩寝てもらって睡眠時間を測定し、その後、平均で約17年間追跡したもの。ベースライン時には参加者の39%がメタボリック症候群であった。

その結果、追跡期間中に参加者の22%が死亡した。検査室での睡眠時間が6時間未満だったメタボリック症候群の患者群では、同じく睡眠不足だがメタボリック症候群のリスク因子が2つ以下だった群に比べて心臓病または脳卒中による死亡リスクが2.1倍であることが分かった。一方で、睡眠時間が6時間以上だった同患者では、これら2つの疾患による死亡リスクは約1.5倍であった。

また、睡眠時間が短かったメタボリック症候群の患者群では、全死亡リスクも2倍近くであることが明らかにされた。同氏らは、心疾患のリスク因子として知られる睡眠時無呼吸を考慮して解析していることから、今回示された睡眠とメタボリック症候群の関連は注目に値すると強調している。

ただし、この研究は睡眠不足とメタボリック症候群、心臓病や脳卒中による死亡との関連を示したに過ぎず、これらの関連には多くの因子が関与していると、同氏は指摘している。メタボリック症候群患者と睡眠不足の人は共通して座りがちな生活を送りがちで、食生活の質も悪いことが多いが、今回の研究ではこの点は考慮されていないという。

また今回の研究では、特に高血圧や高血糖のリスク因子を保有する人が睡眠不足になると、早期死亡リスクが増加することも示されており、「睡眠不足のメタボリック症候群患者では、自律神経系の問題や代謝異常を抱えている可能性がある」と、同氏は示唆している。これらをまとめて、同氏は「メタボリック症候群のリスク因子を持つ人は睡眠時間に配慮すべきだ。睡眠時無呼吸や不眠症、睡眠障害を行動療法や薬物治療でコントロールすることも有効な手段になると思われる」と述べている。

米カリフォルニア大学サンフランシスコ校(UCSF)のByron Lee氏は、この研究からは、短時間睡眠が早期死亡の要因であるのか、あるいは単に不健康である徴候に過ぎないのかを判断するのは難しいとしながらも、「いずれにせよ、患者は自分の睡眠時間や質に気をつけるべきで、よく眠れない場合には医師に相談することが勧められる」とアドバイスしている。

この報告は「Journal of the American Heart Association」オンライン版に5月17日掲載された。(HealthDay News 2017年5月24日)

https://consumer.healthday.com/sleep-disorder-information-33/misc-sleep-problems-news-626/sleepless-nights-could-pose-heart-risk-dangers-723020.html

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