1-1 HDN6月1日「今日のニュース」No.2
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米FDA、がん治療薬を発生部位ではなくバイオマーカーに基づいて承認

最新のがん治療薬の多くは、がんの発生した部位にかかわらず、がんに特異的な「遺伝的バイオマーカー」を標的とするものである。このことから、米国食品医薬品局(FDA)はこのほど、がんの発生部位ではなく遺伝的要因に基づいて、免疫チェックポイント阻害剤であるキイトルーダ(一般名:ペムブロリズマブ)を承認したと発表した。

キイトルーダは「ミスマッチ修復遺伝子」を標的として作用する。今回の承認により、結腸、膵臓、胃、卵巣など、がんが発生した部位がどこであっても、がんがその遺伝子を持っていれば治療に利用できるようになる。

FDA医薬品評価センター(CDER)のRichard Pazdur氏は、「これはがん治療における重要な最初の一歩である」と述べ、「これまでFDAはがんの発生した部位によってがん治療薬を承認してきたが、今回、がんのバイオマーカーに基づいて薬剤を承認した」と説明している。

米Merck社が製造するキイトルーダは、マイクロサテライト不安定性が高い(MSI-H)、またはミスマッチ修復欠損(dMMR)があるがんを標的とする。これらの遺伝子異常は細胞内の修復機構に影響を及ぼす。MSI-HやdMMRは、大腸、子宮内膜、消化管のがんで高頻度にみられるが、乳房、前立腺、膀胱、甲状腺、その他の部位のがんにもみられることがある。特に転移性大腸がん患者では約5%にMSI-HまたはdMMRが認められるという。

キイトルーダは、がん細胞に対する身体の免疫系の攻撃を助ける細胞経路を標的とすることで効果を発揮する。これまで、転移性非小細胞肺がん、転移性メラノーマなど、さまざまな種類のがんに対して個別に承認されていたが、今回その承認が拡大されたことで、成人および小児において手術で切除できない一部のがんや転移した固形がんの治療に使用できるようになる。FDAによると、適応となるのは治療後もがんが進行して他に選択肢のない患者と、特定の治療薬を用いた化学療法後に大腸がんが進行した患者であるという。

今回の承認につながった5件の研究では、15のがん種の患者149人を対象とした。患者の40%に完全または部分的な腫瘍退縮が認められた。また、そのうち4分の3を超える患者に6カ月以上の治療応答がみられたという。

同薬には多数の副作用があり、その一部は健康な臓器の炎症など重篤なものであるため、合併症が生じた患者は使用を中止する必要がある。また、妊娠中または授乳中の女性は使用できない。(HealthDay News 2017年5月24日)

https://consumer.healthday.com/public-health-information-30/food-and-drug-administration-news-315/fda-oks-first-cancer-drug-by-genetic-type-not-organ-of-origin-723007.html

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