1-1 HDN6月5日「今日のニュース」No.1
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膵がんの早期発見につながる血液検査を開発

膵がんの早期診断につながる新たな血液検査を開発したと、米マサチューセッツ総合病院(ボストン)のCesar Castro氏らの研究グループが報告した。膵がんは進行した段階で発見されることが多く、特に致死率が高いがん種として知られているが、この新たな検査は現在広く使用されている腫瘍マーカーであるCA19-9を指標とした検査と比べて精度が高い可能性があるという。

Castro氏によると、CA19-9は以前から膵がんの腫瘍マーカーとして使用されているが、がんが進行するまで値が上昇しないことが多く、一方で、がんでなくても膵臓の炎症や胆管の閉塞により上昇することもある。このことから、CA19-9は治療中の経過を確認する際には有用だが、診断法としては「極めて不完全」であるという。

米国立がん研究所(NCI)の推計では、同国で今年1年間に約5万3,700人が膵がんの診断を受けると予測されている。なお、このうち80%以上が膵管腺がん(PDAC)と推定されている。膵がんの早期発見は難しく、黄疸などの症状が表れる頃にはがんが進行していることが多いため、診断後の5年生存率はわずか8%にとどまる。

今回の研究には関与していない米メモリアル・スローン・ケタリングがんセンター(ニューヨーク市)のPeter Kingham氏は、「今のところ膵がんにはスクリーニング法がないため、乳がんのマンモグラフィや大腸がんの内視鏡検査のような検査法の開発が望まれる」と話す。ただし、新たな血液検査の精度を検証した今回の研究結果について、同氏は「CA19-9に比べればすばらしいものだが、精度の評価にはさらに大規模な研究が必要」と慎重な姿勢を示している。

今回の研究では、マルチプレックスプラズモンアッセイと呼ばれる分析法により、PDAC患者の細胞から血液中に放出される細胞外小胞(EV)という構造体を分析した。その結果、5つの特異的な蛋白質の「特徴(signature)」を持つEVが、PDACの優れたマーカーとなることを突き止めた。また、PDACまたは非がん性の疾患(膵炎など)で手術を受けた患者43人の血液検体を用いてこのマーカーの精度を検証した結果、感度は86%、特異度は81%だった。

研究グループによると、検査の一部は自動化されているため、約10分で実施でき、費用は1人60ドルだという。ただし、Castro氏は「この研究は小規模であるため、結論を導くことはできない」と説明。「今後はスクリーニング法としての実用性を明らかにするため、まずは家族歴のあるリスクの高い患者を対象に検討し、最終的には一般集団に利用できるスクリーニング法を開発したい」と意欲を示している。

この研究は「Science Translational Medicine」5月24日号に掲載された。(HealthDay News 2017年5月24日)

https://consumer.healthday.com/cancer-information-5/pancreatic-cancer-news-105/blood-test-for-pancreatic-cancer-shows-early-promise-723021.html

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