2HDN糖尿病ニュース6月15日配信1
image_print
疾患・分野別ニュース/糖尿病/

SGLT2阻害薬で糖尿病性ケトアシドーシスのリスクが増加

2型糖尿病の治療に用いるSGLT2阻害薬は、頻度はまれだが生命に危険を及ぼす糖尿病ケトアシドーシス(DKA)のリスクを増加させる可能性のあることが、米ブリガム・アンド・ウイメンズ病院のMichael Fralick氏らの検討で分かった。詳細は「New England Journal of Medicine」6月8日号に掲載された。

SGLT2阻害薬(一般名はカナグリフロジン、ダパグリフロジン、エンパグリフロジンなど)は2013年(日本国内は2014年)に上市された比較的新しい薬剤だが、2015年には米国食品医薬品局(FDA)が同薬によるDKAリスク増加について警告を発出している。

DKAは、1型糖尿病患者だけでなく2型糖尿病患者でもごくまれに起こる合併症で、悪心や嘔吐、腹痛に止まらず脳浮腫や昏睡を引き起こし、治療せずに放置すると命に関わる重大な合併症だ。

今回の研究は、米国の大規模な民間保険会社の請求データを用いて、2013~2014年にSGLT2阻害薬またはDPP-4阻害薬の服用を新たに開始した2型糖尿病患者(それぞれ5万220人、9万132人)を対象に解析したもの。解析の結果、SGLT2阻害薬を服用する群ではDPP-4阻害薬(一般名はシタグリプチンリン、サキサグリプチンなど)を服用する群に比べて、DKAリスクが約2倍に上っていた(1,000人年当たり4.9件対2.3件;ハザード比2.1、95%信頼区間1.5~2.9)。

Fralick氏らは、SGLT2阻害薬を服用する患者でDKAを発症したのは1,000人に1人の割合に過ぎず、そのリスクは極めて低い点を強調しながらも、DKAは1型糖尿病患者の合併症と広く認識され、2型糖尿病ではあまり注意を払われていないため見過ごされている危険性があると指摘。「2型糖尿病患者でもDKAの徴候が現れていないかを注意深く観察する必要がある」と述べている。

米レノックス・ヒル病院で内分泌を専門とするMinisha Sood氏によると、SGLT2阻害薬は尿中へのグルコースの排泄を促進する機序で注目を集めた一方で、同薬は血中ケトン体を増加させるホルモン(グルカゴン)の分泌を促進する作用も併せ持つ。ケトン体の過剰な蓄積はDKAの発症につながるという。

そのため、Sood氏も「特にSLGT2阻害薬を使い始めた最初のうちは、医師も糖尿病患者もDKAの可能性に気を配るべきだ」とアドバイスしている。しかし、この結果はSLGT2阻害薬の使用を阻むものではなく、同薬の血糖コントロールの有益性は有害性を明らかに上回るとも述べている。(HealthDay News 2017年6月7日)

https://consumer.healthday.com/diabetes-information-10/misc-diabetes-news-181/study-confirms-link-between-diabetes-med-and-rare-but-dangerous-complication-723438.html

Copyright © 2017 HealthDay. All rights reserved.

No Tags

RELATED ARTICLES