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低HbA1c値は高齢2型糖尿病患者フレイルのリスク因子 ――日本人患者で検討

日本人の高齢2型糖尿病患者において、低HbA1c値はフレイル(虚弱)のリスク因子になり得ることが、福岡大学内分泌・糖尿病内科教授の柳瀬敏彦氏と誠和会牟田病院(福岡県)内分泌・糖尿病内科の柳田育美氏、名和田新氏らの検討で分かった。2016年に日本糖尿病学会と日本老年医学会が示した高齢者糖尿病の血糖コントロール目標では、重症低血糖リスクが危惧される場合は目標下限値を設定することとされたが、高齢者のフレイルリスクを考慮してもこれは妥当と言えるとしている。詳細は「Journal of Diabetes Investigation」5月27日オンライン版に掲載された。

高齢者が筋力や心身の活力が低下した状態は「フレイル」と呼ばれるが、これまでの研究から、高齢の2型糖尿病患者では血糖コントロールが悪くてもHbA1c値が低すぎても、身体的側面で評価したフレイルスコアの上昇と関連する「Uカーブ」現象がみられることが報告されている。今回、研究グループは、日本人の高齢2型糖尿病患者を対象に、HbA1c値を含めた患者側のどの因子が身体的・精神的側面で評価したフレイルのリスク因子となり得るのかを検討する後ろ向き観察研究を行った。

研究では、65歳以上の2型糖尿病患者132人(男性が63人、平均年齢78.3歳、平均HbA1c値7.0%)を対象に、身体的・精神的側面を7段階で評価するClinial Frailty Scale(CFS)を用いてフレイルスコアを算出した。スコア9に該当する患者がいなかったため、スコア1~4を「フレイルなし群(77人)」、スコア5~8を「フレイルあり群(55人)」に分けて患者側のさまざまな因子(HbA1c、ヘモグロビン、血清アルブミン、AST・ALT、クレアチニン、尿酸、脂質、血圧の各値、身長や体重、BMIなど)との関連を調べた。

多変量回帰分析の結果、加齢と血清アルブミン、HDL-コレステロール、収縮期血圧(SBP)、HbA1c、総コレステロール(TC)、体重の低値はいずれもフレイルの独立したリスク因子であり、年齢と血清アルブミンとの関連が最も強いことが分かった。

研究グループは「今回の解析で重要な点は、従来、動脈硬化症の発症予防などの観点から中高年の健康指標として低値が望ましいとされてきたHbA1c、体重、コレステロールなどの代謝マーカーは、高齢2型糖尿病患者においては、逆に低値が重症フレイルのリスク因子になること(リバースメタボリズムと言う)を明らかにした点にある」と述べている。特に高齢2型糖尿病患者における低HbA1c値については、低血糖と同時に、フレイルの点からのケアが重要であることを示しているとしている。(HealthDay News 2017年6月19日)

Abstract
http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/jdi.12698/abstract

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