Depressed middle-aged patient sitting nervously on comfortable armchair with handkerchief in hands and explaining his problems to mature psychologist with clipboard and pen
image_print
医療・健康ニュース/今日のニュース/

HIV感染者の治療継続にギフトカードは有効か?

HIV感染者に治療を開始してもらったり、治療を継続してもらったりするために、ギフトカードを提供するといった金銭的な報酬は有効か―。米コロンビア大学メイルマン公衆衛生学部教授のWafaa El-Sadr氏らが実施した研究では、新たなHIV感染者を治療開始に導く効果はないが、治療中のHIV感染者が服薬を遵守し、ウイルス量を抑制した状態を維持するには有効であることが示された。詳細は「JAMA Internal Medicine」6月19日オンライン版に掲載された。

今回の研究で認められたウイルス量の抑制効果はわずかだが、El-Sadr氏は「有望な研究結果であり、今後の研究を後押しするもの」としている。HIV感染者は、自身の健康と他者への感染リスク低減のために抗レトロウイルス療法を継続して受け、ウイルス量を抑制した状態を維持する必要がある。しかし、医師の指示通りに服薬を続けられない感染者も多く、米国のHIV感染者でウイルス量の抑制を達成できているのは55%だという。

今回の研究は、ニューヨーク州ブロンクスおよびワシントンD.C.のHIV検査施設37カ所とHIV治療施設39カ所で実施された。検査施設を、HIV陽性者に追加の血液検査を受ければ25ドル、受診して治療計画を立てれば100ドルのギフトカードを提供する施設群と、通常の対応を取る施設群にランダムに割り付けた。治療施設は、抗レトロウイルス療法を受けているHIV感染者にウイルス量の抑制(400コピー/mL未満)を達成できていれば3カ月に1回、70ドルのギフトカードを提供する施設群と、通常のケアを行う施設群にランダムに割り付けた。

その結果、検査でHIV陽性だと分かった新規感染者が治療を開始する割合は、ギフトカード提供施設と通常対応の施設との間に差はなかった。しかし、ウイルス量抑制を達成した治療中のHIV感染者の割合は、ギフトカード提供施設の方が通常ケア施設よりも3.8%高かった。さらに、研究開始前にはウイルス量が抑制されていなかった感染者のみを対象としたサブグループ解析では、同割合はギフトカード提供施設の方が通常ケア施設よりも4.9%高いことが示された。

ただ、こうした金銭的報酬の導入による費用対効果を疑問視する声もある。HIV治療の専門家で米ノースウェル・ヘルスのDavid Rosenthal氏は、「この研究では70ドルのギフトカードが3万9,359回分も提供されており、270万ドルを超える費用がかけられている」と指摘。「一部の感染者にベネフィットはあったが、そのために多額の費用をかけるのはウイルス量抑制を達成するための投資として最適ではないのではないか」との見方を示している。

その上で、同氏はモバイルアプリ技術の利用や、臨床スタッフによる集中的な服薬フォローアップといった別のアプローチを提案。「研究では金銭的報酬が有効であることは示されたが、一律に適用すべきではないだろう」としている。(HealthDay News 2017年6月21日)

https://consumer.healthday.com/aids-information-1/aids-and-hiv-sexually-transmitted-diseases-news-607/could-a-monetary-perk-help-keep-hiv-patients-on-their-meds-723809.html

Copyright © 2017 HealthDay. All rights reserved.

RELATED ARTICLES