1-1 HDN8月3日「今日のニュース」No.2
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陰茎の包皮内の細菌が男性のHIV感染リスクに関連

割礼(包皮切除)を受けていない異性愛者の男性では、陰茎の包皮内に生息する細菌がHIV感染リスクの上昇に関連している可能性のあることが初めて明らかにされ、研究報告が「mBio」7月25日号に掲載された。アフリカ人男性を対象とした今回の研究では、陰茎の包皮に覆われた部分の微生物叢(微生物の集まり)のうち、特定の4種類の細菌がHIV感染リスクに関連し、これらの細菌の量が10倍に増えるとリスクは最大で63%上昇することが示されたという。

研究の筆頭著者である米ジョージ・ワシントン大学ミルケン公衆衛生大学院のCindy Liu氏は、「これらの細菌は嫌気性菌と呼ばれるもので、包皮の下など酸素の少ない環境で繁殖しやすい。今回の知見は、こうした細菌を減らすことによりHIV感染を防ぐといった新たな対策に生かせる可能性がある」と説明する。

世界保健機関(WHO)は、男性の割礼は異性愛者の男性のHIV感染リスクを低減するのに役立つ可能性があるとしている。ただし、HIV予防のために割礼をすることは、HIV感染率が高く異性愛者間の新規感染が多い地域で、特に男性の割礼が一般的でない地域に限って推奨している。

今回の研究では、ウガンダのラカイという町に住む割礼を受けていない男性180人以上を対象として、陰茎の包皮内(亀頭冠)をスワブでぬぐって検体を採取し、生息している微生物の種類や量について分析した。その後2年間で対象者のうち46人がHIVに感染したが、他の要因を考慮した解析の結果、4種類の嫌気性菌の量が多かった男性ではHIVに感染するリスクが有意に高く、これらの細菌が10倍に増えると感染リスクが54~63%高まることが分かった。

なお、これらの嫌気性菌の存在下では、特定の生化学物質(サイトカイン)の産生も増大することも分かった。Liu氏らは、これらのサイトカインによって炎症が生じ、免疫細胞が集まってくるためにHIV感染リスクが上昇すると推測。「免疫細胞は通常は感染症を撃退してくれるものだが、HIVが侵入したときには大きな弱点となる。つまりこの場合、嫌気性菌の増殖に伴って免疫細胞の数が増えることは、HIVに対して餌を与えるようなものだ」と説明している。

Liu氏は、今回の研究はHIV感染率の高い地域に暮らす異性愛者の男性のみを対象にしたものだと強調し、「同性愛者の男性はコンドームを用いないアナルセックスにより感染することが多いと考えられるため、この知見は米国のゲイコミュニティには当てはまらない」と指摘している。一方、異性愛者の男性に対しては「割礼を受けずに陰茎の包皮下の微生物叢を変化させる有効な方法は現時点では分かっていない」と、同氏は話している。

米国HIV医学協会(HIVMA)前会長で米カイザー・パーマネンテのMichael Horberg氏は、今回の研究報告について「HIVが蔓延する地域では割礼が重要な予防策だということが明確に示された」とコメント。割礼を受けていない男性がリスクを減らすには、まずはコンドームを使用することだが、それに加えて「理論的には、陰茎を清潔に保つことが有用と考えられる。例えば包皮の内側をよく洗い、包皮を戻す前に十分に乾燥させることだ」と説明している。(HealthDay News 2017年7月25日)

https://consumer.healthday.com/men-s-health-information-24/men-s-problems-health-news-469/bacteria-may-explain-why-uncircumcised-face-higher-hiv-risk-724837.html

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