2HDN糖尿病ニュース8月10日配信1
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膵島アミロイド沈着が2型糖尿病の発症と関連か

多くの2型糖尿病患者では、膵ランゲルハンス島に折り畳み不全の蛋白質(midfolded protein)の沈着が認められるが、こうした膵島アミロイド沈着は2型糖尿病の発症や進展と関連し、クロイツフェルトヤコブ病やウシ海綿状脳症(狂牛病)などのプリオン病と類似した機序を持つ可能性のあることが、米テキサス大学健康科学センター教授のClaudio Soto氏らの検討で分かった。研究の詳細は「Journal of Experimental Medicine」8月1日オンライン版に掲載された。

2型糖尿病患者の膵島には、膵島アミロイドポリペプチド(islet amyloid polypeptide;IAPP)と呼ばれる折り畳み不全の蛋白質が沈着することが知られているが、この沈着が2型糖尿病の発症や進展と関連するのかどうかは明らかにされていない。

そこでSoto氏らは今回、2型糖尿病における膵島アミロイド沈着の役割を調べるため、マウスやヒト膵臓組織を用いた実験を行った。まず、マウスにIAPPを投与したところ、マウスには膵β細胞死や高血糖、耐糖能異常(IGT)といった2型糖尿病様の症状が現れることが分かった。次に、健康なボランティアから採取して培養したヒト膵臓組織にIAPPを投与したところ、IAPPはヒト膵臓組織に沈着することが確認されたという。

IAPPはインスリンとともに膵β細胞から分泌されるが、Soto氏らは、インスリン分泌量の増加に伴ってIAPPの産生量も増えるため、膵臓に過剰なIAPPが沈着すると推論している。同氏らによると、最初は少量だった異常に折りたたまれた蛋白質の沈着がさらなる蛋白質の異常を引き起こし、沈着が進んだ結果、最終的に膵β細胞死につながるという。

Soto氏は「こうした蛋白質の過剰な沈着から膵β細胞異常や2型糖尿病の発症につながる機序は、クロイツフェルトヤコブ病やウシ海綿状脳症などのプリオン病のほか、アルツハイマー病やパーキンソン病とも類似する点が多い」と指摘。プリオン病のように臓器移植や輸血を介してヒトからヒトへと伝播する可能性があるとしている。

また、同氏は今後の研究の進展によっては、膵島アミロイド沈着は2型糖尿病の予防や早期診断に活用できるほか、蛋白質の沈着を除去する新しい治療法の開発にもつながると期待を示している。

しかし、こうした仮説に疑問を呈する専門家もいる。その1人でADAのWilliam Cefalu氏は「2型糖尿病はさまざまな要因が絡む複雑な疾患だが、ヒトからヒトに伝播する伝染病ではない。この研究は概念実証研究としては評価できるが、この結果をヒトに当てはめるのには慎重になるべきだ」とコメントしている。

米モンテフィオーレ医療センター臨床糖尿病センター長のJoel Zonszein氏も「2型糖尿病が伝染病だとする臨床的なエビデンスはない」と強調しつつ、インスリンとIAPPはともに膵β細胞から分泌されるもので、折りたたみ異常が起こった蛋白質が膵島に沈着し始め、膵β細胞が破壊された時に初めて問題になると説明している。(HealthDay News 2017年8月1日)

https://consumer.healthday.com/general-health-information-16/animal-research-956/protein-deposits-seem-to-play-role-in-type-2-diabetes-725087.html

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