2HDN糖尿病ニュース8月17日配信
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糖尿病治療薬がパーキンソン病の治療にも有望な可能性

GLP-1受容体作動薬のエキセナチド(商品名:バイエッタ)がパーキンソン病治療薬としても有望である可能性が、「Lancet」8月3日オンライン版に掲載の論文で報告された。同薬の投与を中止した後でもパーキンソン病の運動症状に改善がみられたという。

論文の責任著者を務める英ロンドン大学神経学研究所のTom Foltynie氏は「パーキンソン病の既存治療の効果は症状緩和に限られており、疾患自体の進行を止めることはできなかった。しかし、今回、エキセナチドがパーキンソン病の症状を軽減するだけでなく、疾患の進行を食い止める可能性を示す強いエビデンスが得られた」と研究の意義を説明している。

なお、パーキンソン病は神経変性疾患では世界で2番目に多く、筋肉が硬くなる(固縮)、手足が震える(振戦)、動きが鈍くなる、睡眠障害、慢性疲労といった症状が現れる。

今回の研究では、2014年6月~2015年3月に登録したパーキンソン病患者62人(25~75歳)を対象に、通常治療に加えて週1回のエキセナチド投与を48週間継続する群(32人)またはプラセボを投与する群(30人)にランダムに割り付けて追跡した。治療開始から60週後にMovement Disorder Society Unified Parkinson’s Disease Rating Scale(MDS-UPDRS)Part3を用いて運動症状(動きの敏捷性や会話、振戦)を評価したところ(解析対象はエキセナチド群31人とプラセボ群29人)、プラシボ群と比べてエキセナチド群ではスコアが平均で3.5点上回り、有意に優れていることが分かった。

この研究を助成した米マイケル・J・フォックス・パーキンソン病研究財団のBrian Fiske氏は「安全性が確かめられている薬を別の疾患に利用する既存薬の再開発(drug repurposing)という手法により、パーキンソン病治療の飛躍的な進歩につながるかもしれない」と期待を示す一方で、「パーキンソン病に対するエキセナチドの効果と安全性が確立されるまでは、この治療法の実践は控えるべきだ」と強調している。

別のパーキンソン病の専門家(米ノースウェルヘルス神経科学研究所のMartin Niethammer氏)も、今回の研究は小規模で観察期間も短く、評価した転帰も限定されるなどさまざまな限界点があると指摘しつつ、「今後の大規模かつ長期の研究で、同薬がパーキンソン病の根本治療薬となるのか、あるいはその効果が症状改善にとどまるのかを検証する必要がある」とコメントしている。(HealthDay News 2017年8月4日)

https://consumer.healthday.com/cognitive-health-information-26/parkinson-s-news-526/diabetes-drug-shows-promise-against-parkinson-s-725242.html

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