1-2 HDN8月24日「ヘルスハイライト」No.2
image_print
医療・健康ニュース/ハイライト/

世界で年間360万人が喘息とCOPDで死亡

二大慢性肺疾患である喘息と慢性閉塞性肺疾患(COPD)により、全世界で年間360万人が死亡しているという研究報告が「The Lancet Respiratory Medicine」8月16日オンライン版に掲載された。2015年のCOPDによる死者数は320万人、喘息による死者数は40万人と推定されたという。死者数はCOPDの方が多かったが、患者数は喘息の方が2倍多く、COPDの1億7450万人に対して喘息では3億5820万人だった。

COPDは、従来は肺気腫や慢性気管支炎と呼ばれてきた疾患の総称で、主に喫煙と大気汚染が原因であることが分かっている。一方、喘息はアレルゲンや喫煙などが原因で発症すると考えられている。

今回の研究では、188カ国を対象とした1990~2015年の調査を検討。その結果、1990年以降、COPDおよび喘息の罹患率や死亡率は低下していることが明らかになった。しかし、世界的な人口の増加と高齢化を背景に、COPDの患者数は44%、死者数は12%増加した。一方、喘息による患者数は13%増加したが、死者数は27%減少した。

COPDが最も猛威を振るっている国は、インド、レソト、ネパール、パプアニューギニアだった。喘息による負担が特に大きい国は、アフガニスタン、中央アフリカ共和国、フィジー、キリバス、レソト、パプアニューギニア、スワジランドだった。

論文の筆頭著者である米ワシントン大学教授のTheo Vos氏は「これらの疾患は治療法があるにもかかわらず、未診断の患者や誤診されている患者が多く、十分な治療を受けられないことも少なくない。その他の重大な非感染性疾患(心血管疾患、がん、糖尿病など)に比べて、喘息やCOPDは十分に注目されてこなかった経緯がある」と述べている。

米レノックス・ヒル病院の呼吸器専門医であるLen Horovitz氏は、これらの疾患の治療法について「喘息の管理は比較的容易であり、治療薬を用いれば改善できる可能性もある」とコメント。一方、「COPDも治療は可能だが、肺のダメージは不可逆的なもの。さらに加齢により肺胞の消失が進行性に加速するため、肺の機能は生涯にわたり低下していく」と説明している。

本研究の論評を執筆したマーストリヒト大学(オランダ)のOnno van Schayck氏は、家庭における大気汚染の主な原因の1つとして、世界人口の半数超が屋内での調理時に木材や石炭などの燃料を用いていることを指摘する。「こうした燃料の使用は呼吸器疾患の増加につながっており、よりクリーンな燃料への変更が望ましいが、特に都市部のスラムでは経済的な問題や入手経路の問題で難しいこともある」と、同氏は話している。(HealthDay News 2017年8月16日)

https://consumer.healthday.com/diseases-and-conditions-information-37/copd-966/nearly-4-million-worldwide-die-each-year-from-asthma-copd-725606.html

Copyright © 2017 HealthDay. All rights reserved.

RELATED ARTICLES