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一般的な鎮痛薬で関節炎患者の血圧が上昇か

変形性関節症や関節リウマチの患者では、関節の痛みを軽減するために日常的に非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)が広く使用されている。その1つであるイブプロフェンが、これらの関節炎患者の血圧を上昇させる可能性があることが、チューリッヒ大学病院心臓センター(スイス)のFrank Ruschitzka氏らによる研究で明らかになった。この研究結果は「European Heart Journal」8月28日オンライン版に掲載されたほか、欧州心臓病学会(ESC 2017、8月26~30日、スペイン・バルセロナ)でも報告された。

この研究は、NSAIDに分類されているが従来薬とは作用機序の異なるCOX-2選択的阻害薬であるセレコキシブの心血管安全性を、従来薬のイブプロフェンおよびナプロキセンと比較検討するために実施されたPRECISION試験の参加者の一部を対象にサブ解析を実施したもの。対象は、米国内の60施設で登録された、心血管疾患を有するか、そのリスクが高い関節炎患者444人だった。このうち92%(408人)が変形性関節症、8%(36人)が関節リウマチだった。

これらの患者をセレコキシブ100~200mgを1日2回投与する群、イブプロフェン600~800 mgを1日3回投与する群、ナプロキセン375~500 mgを1日2回投与する群と、それぞれのプラセボ群にランダムに割り付け、研究開始から4カ月後までの血圧値の変化を評価した。

その結果、4カ月後の収縮期血圧(SBP)の平均値はセレコキシブ群では0.3mmHg低下した一方、イブプロフェン群では3.7mmHg、ナプロキセン群では1.6mmHg上昇した。また、追加の解析では、研究開始時に正常血圧だったが新たに高血圧を発症した患者の割合は、イブプロフェン群で23.2%、ナプロキセン群で19.0%、セレコキシブ群では10.3%であることが示された。

以前からNSAIDの使用と心血管疾患リスクとの関連が指摘されてきたが、今回の研究結果を踏まえ、Ruschitzka氏は「NSAID使用による心血管疾患リスクの上昇の一因として、薬剤に固有の血圧上昇作用が関与している可能性がある」と考察している。また同氏は関節炎の患者に対して「NSAIDを使用する場合は医師に相談してほしい」と助言。医師に対しては「これらの薬剤の使用を検討する際には、血圧コントロールを悪化させる危険性についても考慮すべき」と呼び掛けている。

NSAIDは世界中で広く使用されており、米国では国民の19%が1種類以上のNSAIDを日常的に使用している。その中には3000万人の変形性関節症患者も含まれている。

また、変形性関節症患者では高血圧症の有病率が40%を超える。関節炎患者の高血圧を治療することで、年間で脳卒中による死亡を7万件以上、冠動脈疾患による死亡を6万件以上回避できるとの推計も報告されている。(HealthDay News 2017年8月30日)

https://consumer.healthday.com/bone-and-joint-information-4/nonsteroidal-anti-inflammatory-drugs-NSAID-news-768/common-painkillers-may-boost-blood-pressure-in-arthritis-patients-725983.html

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