1-1 HDN9月19日「今日のニュース」No.2
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統合失調症患者の幻聴に脳の特定領域を刺激する治療が有望

統合失調症患者は音や歌、話し声などさまざまな幻聴に悩まされることが多い。中でも最も頻度が高いのが、自分の内側あるいは外側から話し声が聞こえてくる「言語性幻聴」だ。この言語性幻聴の軽減に、磁気エネルギーを利用して脳の言語に関連する領域を刺激する「経頭蓋磁気刺激(TMS)」が有望であることが、フランスの臨床研究で示された。この研究結果は欧州神経精神薬理学会議(ECNP 2017、9月2~5日、パリ)で発表された。

統合失調症患者には幻覚や混乱、幻聴などさまざま症状が現れるが、中でも言語性幻聴を経験する患者の割合は約70%に上ると推定されている。言語性幻聴の内容はさまざまで、複数の声の会話が聞こえることもあれば、単一の声が患者に話しかけてくることもある。また、話し声が敵対的である場合もあれば、友好的である場合もある。

今回、カーン大学病院(フランス)のSonia Dollfus氏らは、うつ病をはじめとするさまざまな精神疾患の治療法として注目され、統合失調症患者の幻聴にも有効であることが示唆されているTMSに着目。これまで検討されたことがなかった脳の側頭葉における言語関連の領域をターゲットとして刺激する治療を偽治療と比較する初の臨床研究を実施した。

対象は、フランスの統合失調症患者59人。このうち26人には1日2回のTMS治療を20Hzの刺激頻度で2日間実施し、残る33人にはTMS治療に見せかけた偽治療を行った。その結果、2週間後に言語性幻聴の評価スコアが30%以上低下した患者の割合は、偽治療群の9.1%に対してTMS群では34.6%に達していた。なお、TMS群で重大な副作用は認められなかったとしている。

今回の研究について、Dollfus氏は「統合失調症患者の言語性幻聴を軽減するためにTMSがターゲットとすべき脳領域を特定した初めての臨床研究として位置づけられる」と説明。ただし、TMS群でみられた治療効果は一過性のものだったことから、同氏は「効果をさらに長期間持続させるために研究を続ける必要がある」と話している。

この研究結果について、米国の非営利団体である脳・行動科学研究財団の会長であるJeffrey Borenstein氏は「TMS治療は薬物治療との併用で幻聴に対処できる可能性があるという点でも有望な治療法」との見解を示している。ただし、同氏は今回の研究は小規模である点を指摘した上で、「幻聴の治療におけるTMS治療の実現性について明らかにするためには、さらに研究を重ねる必要がある」と述べている。

なお、学会で発表された研究は、査読を経て医学誌に掲載されるまでは予備的なものとみなされる。(HealthDay News 2017年9月7日)

https://consumer.healthday.com/cognitive-health-information-26/brain-health-news-80/magnetic-brain-stimulation-may-quiet-voices-in-schizophrenia-726301.html

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