4HDN国内ニュース10月10日配信1
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心臓周囲の脂肪蓄積と血清シスタチンC値の上昇が関連 日本人2型糖尿病患者を解析、岩手医大の研究グループ

2型糖尿病患者では、心臓周囲の脂肪蓄積と腎機能マーカーとして知られる血清シスタチンC値の上昇が関連し、これらは心血管代謝リスクの上昇をもたらす可能性があると岩手医科大学糖尿病・代謝内科教授の石垣泰氏らが「PLOS ONE」9月18日オンライン版に発表した。心臓周囲の脂肪蓄積とシスタチンC値の上昇は独立した心血管リスク因子だと考えられるという。

心臓周囲に蓄積した脂肪(epicardial adipose tissue;EAT)は動脈硬化の進展と関連し、内臓脂肪や肥満、高血圧、糖尿病とは独立した心血管リスク因子だと考えられているが、その詳細な役割は明らかにされていない。石垣氏らは今回、2型糖尿病患者を対象に、EAT面積の増大と関連する臨床パラメータを調べる横断研究を行った。

対象は、2014年1月~2016年7月に同大学病院に入院し、心臓のマルチスライスCT(MDCT;複数のX線照射装置を備えた装置)画像を撮影した2型糖尿病患者208人。心臓MDCT画像を用いてEAT組織の面積を測り、血液検査や尿検査で測定した動脈硬化に関与するさまざまな臨床パラメータとの関連を調べた。

その結果、EATの面積は年齢、BMI、内臓脂肪面積、血清中のレプチン(脂肪細胞から分泌されるホルモン)、シスタチンC(腎機能マーカー)、C-ペプチド(インスリン分泌能の指標)の測定値と正の関連を示した。その一方で、血清アディポネクチン値と推算糸球体濾過量(eGFR)値、肝脾CT値の比(liver-to-spleen ratio)とは負の関連を示しており、これまでの研究報告と同様に、EATの蓄積はメタボリック症候群の臨床パラメータと関連することが分かった。

また、重回帰分析を行ったところ、EAT面積と独立して有意に関連する臨床パラメータとして血清中のシスタチンC値、レプチン値とBMI、年齢が浮かび上がった。そこで、シスタチンCを同じく腎機能マーカーとして知られるeGFRと置き換えて解析したところ、eGFRとEAT面積との間には有意な関連は認められず、複数の因子を調整した解析でも血清シスタチンC値はEATの面積と有意に関連することが分かった。

石垣氏らは、今回の研究はこれらの関連性を示したに過ぎないとしつつも、「心臓周囲の脂肪蓄積と血清シスタチンC値の上昇は独立した心血管リスク因子である可能性がある」と結論。「これらの強い関連性から、2型糖尿病患者では心臓周囲に脂肪が蓄積するとシスタチンCの分泌が促され、心血管代謝リスクの上昇がもたらされる可能性が考えられる」と述べている。(HealthDay News 2017年10月10日)

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http://journals.plos.org/plosone/article?id=10.1371/journal.pone.0184723

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