Man drawing handgun in home in self defense

銃による負傷の医療費は年間28億ドル―米ER受診者データ

米国で2006年から2014年までに銃創で救急科(ER)を受診した患者数は約70万人に上り、その医療費は年間約28億ドル(約3136億円)に達していたことが、米ジョンズ・ホプキンズ大学医学部外科学のFaiz Gani氏らによる研究で明らかになった。この研究結果は米ラスベガスで米史上最悪の銃乱射事件が起こった翌日となる10月2日発行の「Health Affairs」10月号に掲載された。

Gani氏らによると、米国では外傷による死亡の原因として銃創は3番目に多く、重大な健康問題となっている。しかし、近年の銃創に関する詳細なデータは不足していたという。そこで同氏らは今回、米国内の最大規模のERデータベースを用い、2006~2014年の銃創患者のデータを分析した。

その結果、同期間に全米でERを受診した銃創患者は70万4,916人に上ることが分かった。このうち約89%が男性で、約49%が18~29歳の若年者だった。ERにかかった銃創関連の医療費は1人当たり5,254ドル(約58万8,000円)、入院費は同9万5,887ドル(約1074万円)で、米国における銃創関連の医療費は年間約28億ドル(約3136億円)と推定された。

また、ERを受診した患者の割合(ER受診率)は、2006年の人口10万人当たり27.9人から2013年には同21.5人へと22.9%低下したが、2014年には同26.6人と増加に転じたことが分かった。さらに、2006年から2014年にかけて精神障害の診断歴がある銃創患者の割合が5.3%から7.5%に、誤射による負傷患者の割合が33.7%から37.4%に増加したことも明らかになった。同期間にERを受診した全ての銃創患者において、銃創の原因で最も多かったのは意図的な発砲(49.5%)で、次いで誤射(35.3%)が続き、銃による自殺企図は5.3%だった。

なお、銃創患者の8%以上がERまたは入院後の病院で死亡していた。死亡率は60歳以上の患者(23.3%)、重傷患者(32.7%)、自殺企図患者(38.5%)で特に高かった。ただ、今回の研究では病院に到着する前に死亡した患者や、病院を受診しようとしなかった患者は対象から除外されているため、Gani氏らは「実際には銃創による死亡者や負傷者の数はもっと多い可能性が高い」との見方を示している。

ラスベガスの銃乱射事件の犯人とされるスティーブン・クレイグ・パドック容疑者(64歳)は、マンダレイ・ベイ・ホテル&カジノの32階から、コンサート会場に集まる群衆に向けて発砲した。特別機動隊がホテルの部屋に突入したとき容疑者は既に自殺していたが、ライフル銃を含めて銃10丁を保有していたことが報じられている。この事件では少なくとも58人が死亡し、約500人が負傷したとされている。(HealthDay News 2017年10月2日)

https://consumer.healthday.com/public-health-information-30/gun-violence-976/u-s-gun-injuries-nearing-3-billion-in-er-hospital-costs-726996.html

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