4HDN国内ニュース10月16日配信2
image_print
疾患・分野別ニュース/国内ニュース/

震災後に増加する糖尿病リスク、余命短縮に大きく影響 福島県立医大の調査

2011年に発生した東日本大震災と東京電力福島第一原発事故は日本国民、中でも被災地住民の生活や健康に多大な影響を及ぼした。このほど福島県立医科大学健康リスクコミュニケーション学講座の村上道夫氏らの研究グループが行った調査で、震災後に増加する糖尿病により余命が縮まるリスクは、原発事故後の放射線被曝に関連するがんによるものと比べて30倍以上に上ることが明らかにされた。

避難生活や活動制限などで生活環境や就労状居などが大きく変わることを余儀なくされた被災地域では、糖尿病や肥満を始めとする生活習慣病のリスクが増加しているとの報告が相次いでいる。同氏らは「糖尿病はがんや全死亡リスクを高め、余命の短縮に大きく影響する。糖尿病を含めた生活習慣病全般への早急な対策が必要だ」と強調している。詳細は「PLOS ONE」9月28日オンライン版に掲載された。

村上氏らの研究グループは今回、福島第一原子力発電所の北10~40kmと35~50kmに位置する南相馬市と相馬市の住民を対象に、損失余命の指標を用いて原発事故に関連した放射線被曝によるがんと震災後に増加した糖尿病による余命が縮まるリスクを比較した。

その結果、生涯にわたって放射線に曝露したことによるがん関連の損失余命は両市の全住民平均で0.0069年、40歳代~70歳代の住民に限ると0.0024年であったのに対し、震災後10年間で増加する糖尿病の発症を反映した糖尿病関連の損失余命はそれぞれ0.026~0.041年、0.050~0.080年であることが分かった。

このことから、村上氏らは「放射線被曝によるがんと比べて、糖尿病により余命が縮まるリスクは全ての住民で5.9倍、40歳代から70歳代の住民では33倍にも上ることが明らかにされた」と結論。住民の食生活を改善し、運動習慣を促すような施策に行政レベルで力を入れ、生活習慣病の予防に注力する必要があることを強調している。(HealthDay News 2017年10月16日)

Abstract/Full Text
http://journals.plos.org/plosone/article?id=10.1371/journal.pone.0185259

Copyright © 2017 HealthDay. All rights reserved.

RELATED ARTICLES